第378話 緊急事態?

最近女の子達のリョウを見る目が変だ、何か怯えるような目で見ていた。


「リョウ、女の子達と何かあった?」

「たいした事は無いぞ。」

「最近、何か距離感ができてないか?」

「まあ、思春期の子もいるんだろ?お前はあまり気にしない方がいいぞ。」

「そ、そうです、リョウさんとは何も無いですから!」

横にいたリミも慌てたように否定していた。


「そうかい?何かあったら言うんだぞ、ちゃんと調べてリョウに罰を与えるからな。」

何故か調べての部分でリミがビクッとしていた。

「だ、たいじょうぶ!調べなくてもリョウさんとは何もないから、ねっ!リョウさん!」

「俺はどれだけ調べられてもいいぞ?」

「大丈夫だよね!リョウさん!」

「どうかなぁ〜」

からかっているリョウを見て大丈夫だと判断出来た。


「ところで、アキラさんショウくんを連れて四獣探しに出たけど、なんでそんなに慌てて四獣を集めているか知ってる?」

「くくく、聞けよ、じいちゃんこの前電話でばあちゃんに

『いつまで遊び歩いているんですか!さっさと帰ってきなさい、家でやることもあるんですよ。』

って叱られてね、それで慌ててるって訳さ。」

「アキラさん、帰るんだ・・・」

俺は少し笑みが出た。


「一時的だからな、なにせ最愛の孫がここにいるからな。

また帰ってくるよ。」

「あれ?リョウも帰るんだろ?」

「わかってていっているよな?

俺じゃ無い、シモちゃんの事だ。」

「シモは孫じゃないからなぁ〜」

「じいちゃんにとっては孫だ。

諦めてじいちゃんの老後はここで過ごさせてやれよ。」

「家にばあちゃんいるんだろ?

家族と共に過ごせよ。」

なんだかんだ言いつつ、互いに爺さんを押し付けあっていた。


「もう二人ともアキラさんに失礼ですよ。」

サリナがお茶を用意しようとしていたが、カルラに止められて、代わりにカルラが横でお茶を持ってきていた。

「サリナはアキラさんの怖さを知らないから。」

「そうだよ、じいちゃんはヤバいんだって。」

「二人ともアキラさんを悪く言わない。」

「「はーい。」」

俺とリョウは取り敢えず返事をするがその答えの軽さにサリナはため息をついていた。


「そ、そんな事よりおかあさんは早く椅子に座って!」

カルラはずっと落ち着かない様子でサリナに早く座るように促す。

「カルラ、大丈夫よ。」

「ダメです、もういつ産まれるかわからないって言われているんですから、ゆっくり、ゆっくり座ってください!」

カルラ過保護になっているようだった。

「もう、カルラったら・・・うっ!」 


「サリナ?サリナどうした!」

急に苦しそうにするサリナに俺は駆け寄る。

「お腹が・・・痛い・・・」

「おかあさん!」

カルラも慌ててサリナに駆け寄り心配する。


「リョウ!急いでミキちゃんを呼んできてくれ!」

ミキはサリナの出産に備えてショウについて行かず基地に待機してもらっていた。

ミキは副官としての力で得た医療の知識とこの日に備えて予習をしてもらっていた。

実際、現地の人の出産を行い、充分に経験も積ましてもらっており、一人前の助産師となっていた。


「わかった、すぐに行ってくる!」

リョウは全力で部屋の外に駆けて行った。

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