第318話 近接戦闘開始!

アキラが壁を斬るが光の壁が壊れることは無かった。

「無駄だアキラ、それは釈迦如来の五行封印術だ、簡単に破れるとは思うなよ。」

「お釈迦様が何故お前のような小物に術を授ける?」

「賭けに勝ったからだ。彼の地の神は正直すぎるからな、勝つのは簡単だった。」

「ほぅ、準備がいいことじゃな。」


「さあ、そこで閉じ込められたまま、お前の可愛がっている孫娘の哀れな姿を眺めるとよい。」

「なんと!シモちゃんに何をする気じゃ!」

「しれた事を、手足をもいで犬の餌にでもしてくれようぞ。」

男とアキラが話しているが・・・


「えーと、ウーウさん、この子はアキラさんの孫じゃないんですが?」

俺はそれとなく正してみる。


「えっ?」

ウーウはキョトンとしている。


「騙されるな!その子はワシの孫じゃ!

いたいけな老人から孫を奪うな!」

「いやいや、あんたの孫はリョウだろ?」

「・・・ヨシノブ、交換してやる。」

「いらねぇよ!なんで同級生を子供にしないといけないんだ!」

「うにゅ?シモはおとうさんの子供なのよ。」

シモは俺と手を繋いでくる。


するとウーウの視線が俺にも向いてくる。

「つまり、お前がアキラの息子だという事だな。」

「違います。」

「シラをきるな!」

「シラをって言われてもなぁ・・・」


「ならばまずはお前から仕留めてやろう。

恨むならアキラを恨むといい。」


「アキラさん、恨みますよ。」

俺はジト目をアキラに向ける。

「漢なら目の前に敵がいるなら戦わんか!」

「我の前で余所見とは余裕があるな!」

ウーウは手を剣のように変化させ、俺を突き刺そうとしてくる。

「うにゅ!おとうさんを狙わせないのよ!」

シモが剣を捌き、オットー、パウルが銃撃を開始する。


「子供の癖に良き反応だな、アキラに組みしていなければ、神の使徒として迎えても良いのだがな。」

「家族を傷つける者に情けはいらないのよ!」

「おとうさんは下がってください!全員援護射撃だ、弾幕を張れ!」

ウーウに向い銃弾が飛び交う。

「この程度の鉄の塊が効くはず無かろう。」


「タマ、全力の火の玉なのよ!」

「キューーーー!キューー!」 

タマが放ったのは青白く変化した火の玉だった。


「火の玉ぐらいで・・・ぐわっ!熱い!レイン!」

ウーウは慌てて自身の上から雨を降らし火を消す。

「貴様らよくも!」

「効いたのか?」

「タマよくやったのよ。」

「キュー♪」

「何故、我に魔法が効く?この世界にある魔法は我が生み出したもの、我に効かぬように調整をしていた筈だが・・・」


パン!


考え込むウーウに迷わず発砲するシモ。

「いちいちうるさいのよ。おとうさんを狙った以上、生かして帰さないのよ!」


「グッ!何故、お前の鉄の塊は我に届く・・・」

「知らないのよ。」

「だが、この程度・・・」


「なめるなぁ!!」

ウーウが喋ろうとするも、今度はロンメルが戦車を走らせ主砲を直接腹に打ち込んだあと、砲弾を放つ。

当然、弾もロンメルが魔力を込めた特別性だった。

その為にウーウは上半身と下半身が分かれる。


「がはっ!よ、よくも我にこのような真似を・・・」

「まだ、生きてやがるか、なら轢き潰してやる。」

ロンメルは戦車を操り、分かれた身体を轢き潰した。


「貴様等・・・この我によくも・・・もうゆるさんぞ!」

ウーウは再び再生してくるのだった・・・

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