第303話 訓練
俺とリョウは重りをつけて走らされている。
「お前が連れて来るからだ。」
「お前が俺を逃さないからだ。」
俺とリョウは互いに叩き合いながら走っている。
「お前ら!そんな元気があるならコレを使え!」
アキラから木刀が渡される。
「いや、流石にこれで殴るのは・・・」
「なあ・・・」
俺とリョウは引くも・・・
アキラから一撃をもらい。
「ヤレ!軟弱者どもが。動けなくなった方がワシの直接指導に変えてやる。」
「「・・・喰らえ!」」
俺とリョウは同時に木刀を互いに向けて振る。
ガン!
俺とリョウは鍔迫り合いになる。
「リョウ、俺の為に犠牲になれよ。」
「ヨシノブ、運動不足解消に特別訓練なんておすすめだぞ。」
「「お前が受けろ!」」
俺達の見苦しい訓練が続く中・・・
「おかあさんに子供が?」
「そうなのよ!みんなお兄ちゃん、お姉さんになるのよ!」
シモがサリナに子供が出来たことを子供会で報告していた。
「おとうとか・・・」
「いもうとかも知れないのよ!」
子供達は生まれてくる子供に想像していた・・・
『お兄ちゃん大好き♪』
『大きくなったら、兄ちゃんみたいになりたいな・・・』
「・・・こうしちゃいれねぇなぁ、俺は空へ上がるぜ。」
「どうしたルーデル?」
「生まれてくる赤ちゃんに情けねぇ姿は見せられねぇ、訓練してくるのさ。」
「俺も行くぞ、戦闘機乗りはカッコいいと思われないとな。」
エーリヒもルーデルに続き、訓練に向う。
「俺も行くか、今ならアキラさんの訓練が行われているからな。」
「待てよオットー、俺もいくさ。
何よりカッコいいのは強い兄だろ?」
漢達は単純に自分の強さを鍛えに向かうのだった。
「男は単純よねぇ〜」
「優しいお姉さんに惹かれるに決まっているじゃない。」
「でも、やっぱり・・・綺麗なお姉さんの方がいいよね。」
「「・・・」」
「わ、私は綺麗だから問題ないけど、そうね、今以上にならないとね。」
「あはは・・・」
女の子は女の子で笑いながらもこの日から美容に目覚める子が増えたのである。
子供達が動き始めた時、俺達はまだ訓練をしていた。
「リョウ、ヨシノブ!怠け過ぎだ!」
「やめろよ、爺ちゃん加減しろ!」
「くそっ、リョウ手をかせ、アキラさんに一撃入れるぞ!」
「おうよ!」
俺とリョウは左右に分かれ、同時に攻撃するが、アキラは難なく捌く。
「若いのが二人がかりで老体のワシに一撃も入れれんのか!ほれ、足元がお留守じゃ!」
俺は脛に一撃を喰らいのたちまわる。
「さっさと立たんか!」
転がる俺に情け容赦ない追撃がくる。
転がり、追撃から逃げ、何とか立ち上がる。
「アキラさんは化け物かよ、なんで息一つきれてないんだ?」
俺は息を切らしながら、リョウと話す。
「あれぐらいで息切れするお前は運動不足だよ。
まあ、爺さんが化け物なのは間違いないが・・・」
「俺は別に戦闘民族じゃないんだよ、加護も直接戦闘じゃないんだから。」
「そんな甘いこと言っていると生き残れないぞ!」
俺達はアキラの攻撃をかわす。
「ワシを前にお喋りとは余裕じゃな。少々手加減が過ぎたか?」
その後俺とリョウは仲良くのされるのだった・・・
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