第275話 マックス招待

リミは会話が得意な女の子を集めてきた。

しばらく話した結果、話上手なカルラ(12歳)が一番相性が良さそうだった。

トレーニングも兼ねて、海上に作った訓練所に向かう中、マックスはカルラと話しているのだった。

「その時、俺は仲間を奮い起こす為に前に先頭に立って戦ったんだ!」

「そうなんですね、マックス様は勇ましいのです。」

「そうかな?」

「そうです、お仲間の方々も頼もしかったでしょう。

それで先頭に立ったマックス様はどう活躍なされたのですか?」

「ま、まあ、敵の数は多かったが、私も含めて仲間も精鋭揃い、私を先頭に切り抜け無事に帰還を・・・」

マックスは自身の武勇伝をカルラに聞かせていた。


「話が弾んでいるところすまないが目的地についたよ。」

「あっ、おとうさん♪」

カルラは俺の姿を見るとこちらにかけてきた。

「あっ・・・」

マックスは少し寂しそうに声が漏れる。


「マックス、目的忘れるなよ、飛行機に乗るんだろ?」

「も、もちろんだ、カルラさん、道中の話し相手感謝する。」

「はい、こちらこそ、楽しいお話ありがとうございます。」

カルラは深々と頭を下げる。


「こ、このような話で良いのならいつでも。」

「機会があればまたお願いします。

ですが、マックス様はお忙しいのでは?」

「カルラさんの為ならいくらでも時間を空けます!」

「では、その時にお話の続きをお願いしますね。

おとうさん、私はこれから管制室に入りますので失礼します。」

カルラはマックスにもう一度頭を下げ、部屋を去っていった。


「ヨシノブ、管制室とは何なんだ?」

「空に上がる部隊への指示を出す場所だよ。

まあ、いけばわかるよ。」

俺は訓練ポイント、沖の岩礁地帯にメガフロート式滑走路を作った簡易基地に降り立った。


「ここは?」

「訓練用に作った場所です。

屋敷の近くは騒音で迷惑になりますから。」

俺はまずマックスが気にしていた管制室に入る。

「ここから指示を出すんだ、グライムちょっといいか?」

「はい、何でしょう。」

「マックス、この子がここの指揮を担当するグライムだ。」

「まだ子供じゃないか。」

「そう言ってもな、この子達は優秀だぞ、始めて見る物に必死に取り組み今の力を手に入れてる。

ここにある物の使い方をマックスはわからないだろ?」

マックスは周囲を見るが、見たことない物に溢れている。

「この子はこの使い方を知っているのか?」

「そうだね、全部とはいかないかも知らないけど、担当する場所は知ってるはずだよ。」

「凄いなぁ・・・」

マックスは単純に感心していた。


「ほら、カルラももう席に座って、仕事を始めてる。」

俺はカルラを指差す。

そこにはマイクに向かい会話するカルラの姿があった。

「カルラさん・・・」

マックスのカルラを見る目が少し熱っぽい。


「あそこに座って空を飛んでいる者に指示を送るんだ、少し近づこうか。」

俺はマックスを連れてカルラの席に向かった。

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