第254話 神界騒動
「アーア!ルールが死んだとはどういうことだ!」
「お、落ち着けウーウ!」
「落ち着いていられるか!ワシの娘が死んだんだぞ!」
「気持ちはわかるが、起きてしまった事はどうしようもないであろう、そもそも、神族が人ごときに殺されるとは恥を知るべきだ。」
「なっ!ワシの娘を辱める気か!」
「だが、お主の気持ちもわかる、ワシの力で復活させてやろう。」
「最初からそういえばいいのだ。」
「本来は地上で善行を積まねばならぬのだが・・・」
「ワシの善行を使えばよかろう。」
「特別だからな。」
アーアはルールを復活させる。
その結果、身体は復活する事が出来た。
しかし・・・
「アーア、どういう事だ、ルールの魂が入ってないではないか!」
「おかしい、これで魂もついてくる筈が・・・
少し調べる。」
アーアは死んだ状況を調べると・・・
「アキラにやられたのか・・・ウーウ、ルールは復活出来ん。」
「なっ!」
「アキラだ、先代アーアを殺した、アキラに殺られている、あの魔剣で殺られた以上、魂は喰い散らかされている・・・」
「そ、そんな・・・私の可愛いルールが・・・未来永劫あの魔剣に囚われ養分になるだと・・・そんな事が許される訳がない。」
「しかしだな、アキラに殺られた以上どうしようもない、お主がアキラを始末してくれるのか?」
「そ、それは・・・」
「あの魔剣を入手し、調べれば助けれるかも知れない。」
アーアとウーウに悲壮感が漂う、現在の神の多くはアキラに殺られて跡を継いだもの達だ、アキラの恐ろしさは肌身に染みていた。
アーアの元から帰ったウーウは何とか出来ないかと思案する。
アキラは恐ろしいが娘を助け出したい。
ウーウが辿り着いた答えは・・・
「よく来た、勇者タクミよ。」
新たな勇者を呼び、強化を施し、けしかける事だった。
「ここはどこだ!」
呼ばれたタクミは二十歳の青年であった。
彼は遊園地で、知らない内に股間を斬られて入院していた所を呼び出されたのである。
「ここは神界である、お主に使命を与えよう。」
「ふざけるな、さっさと帰せ!」
「良いのか?ワシならお主の失ったモノを復活させれるが?」
「な、治るのか!」
「無論、治せる。」
「頼む、いやお願いします。どうか治してください!」
「ワシが与える使命を受けるなら治してやる。」
「使命ですか?それで治るのなら何でもします!」
「良かろう、タクミよ、我が名ウーウの名のもとに、悪魔アキラとその仲間を討ち滅ぼすのだ!」
タクミはウーウに力を与えられ、異世界へと行くことになる。
ここでウーウは大きく間違える、
アキラが既に地球に帰っている事に気付いていなかった・・・
異世界に辿り着いたタクミは、
「ここが異世界か・・・」
タクミは軽く身体を動かすと自分とは思えない速度で動ける。
「やべぇ〜チートだよ、他に何が出来る?」
タクミが考えていると色々な物を召喚出来る事が理解出来ていた。
「これって、大日本帝国の兵器か?」
頭に浮かぶのは武蔵、金剛、赤城等の艦隊、
零戦からなる航空機、
八九式中戦車などの陸上兵器などが呼び出せる事がわかる。
「すげぇ!これでアキラとか言うやつを倒せばいいんだな?
簡単じゃないか。」
タクミは浮かれ上がっている。
普通なら人を殺す事に抵抗がある筈なのだが、ウーウにより邪魔だった日本人としての倫理観はのけられており、頭の中にはアキラを始末する事で一杯にされていた。
「あれ?これだけあるのに大和がねぇぞ?」
タクミは艦隊一覧に大和が無い事を不審に思うが・・・
「まあ、武蔵があるしいいか?しかし、大和が無いなんて寂しいじゃねえか。」
タクミは残念ながらも一先ず諦め、自身の装備を呼び出す。
三八式歩兵銃を持ち、軍服に身に纏った姿は帝国兵としては問題無かったが、異世界との違和感は半端無かった。
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