第62話 救助活動

下船後、荷物を下ろし、船を大和からいずもに変更する。

いずもの方が機材が充実しているからである。


「ルクスさん、兵士千を指揮して港に降りて陣地を確保と。それとみんなの警備、被災者が休める場所を作ってください。


サリナさんとルイスは五百の兵と共に炊き出しと怪我人の手当てを、マイちゃん、カエデちゃんはサリナさんの手伝いをお願い。


ショウくんは船を任せた。みんなの安全を守って。


ミキちゃんはショウくんの手伝いをお願い。

残りの千は俺と共に町の人の救援と使節団を探そう。」


俺の指示の元、みんな動き出す。

町に行くと崩壊したガレキに埋もれていた。


「これはひどい・・・」

ルクスの口から思わず声が漏れた

「ルクスさん、少しずつでもいいからやれる事をしましょう。」

俺は立ち止まっていた、ルクスに声をかけ、やるべき事をやっていく。


既に震災から何日も立っている。

残念だが、多くの人は絶望的であろう。

しかし、助けれる生命は助けていく。


「全員固まっても意味がない、10人ずつ分かれて救助に当たってくれ、もっと人がいる時は直ぐに連絡を。」


十人ずつの組になり、ガレキの除去、町で暴行するものを捕まえたりして救助活動に加え、治安維持を行っていた。


港では食料がなく飢えているものに、確保した陣地で食事を振る舞う。

サリナが食事を船から次々と運び出していくが、出すたびにすぐ無くなっていく。

「こちらで食事を配布しています。

列に並んでください!

押さないで、量は沢山あります。

絶対に皆さんに回りますから焦らずに並んでください。」

マイやカエデが声をかけながら順番に配布を行っていく。


列を乱して先に貰おうとするものもいるが、兵士が列を守らせる、そして、列をみだした者は最後尾に回していた。

その為、むやみに列から出るものはいなくなった。



陣地にはマインズ王国が拠出した大量のポーションがあった。

大和で来た理由の一つに、このポーションの量があった。

マインズ王国の好意により、提供されたポーションを大和艦内に所狭しと積み込んだ。


ルイスが兵士を指揮して、

怪我をしたものの順番にキズを癒していく。

元々ローラン王国にあった多くのポーションは割れているものが多く、絶対数が少なくなっている上に、持っている者が値上げしていた為、多くの者に出回っていなかった。

しかし、俺達がポーションを使用しだした事で値段の高騰もおさまりつつあった。



俺達が必死で救助活動をしているとその姿を見た動ける男性の中からも、救助に参加するものが出てきた。

その流れは少しずつ、多くの者を動かす。


ヨシノブ達は町の人達と共に土にまみれ、救助活動をしていく。

ガレキの中からも何人か助かった者もいた。

全員で一喜一憂しながら救助にあたる姿に悪く思うものはいなかった。






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