詩集、詩というと、筆者の感性や人生哲学が滲み出るものが多いように
思います。
それは翻って言うと、一人の人間、一つの立場、一つの思想から
物事を見つめた解釈であり、
あえて言うなら同じテイスト、世界観の詩が並ぶということです。
一応断っておきますが、これは決して悪いことではありません。
ただ、詩に関してそんなイメージを持っていた私は、
様々な位置から様々な模様を書き表す本作にちょっとした
衝撃を受けました。
役者さんがよく
「いろんな人生、生き方を経験出来る仕事」
と語るように、この詩集の作者は自由な魂で種々の世界を
渡り歩いているように見えるのです。
そして読者もそれに釣られて種々の世界へ旅を出来るのです。
詩なのに時々コメディが混じっていることがあるのも
お気に入りでおすすめポイントですよ。