負けヒロインがダンジョンに落ちてたので連れ帰ってみることにした

睡眠が足りない人

逃亡姫は負けヒロイン

プロローグ


 

 ルヴァン視点


  「世界を救った勇者様達は異世界に帰ったか。…どうせなら俺も一緒に連れて帰して欲しかった。米が恋しくて仕方ねぇ」


 デカデカと『世界を救った勇者元いた世界へ帰還!』書かれた記事を読み終え新聞を机の上に置き、俺は天井を仰ぎポツリと呟いた。

 

 「する際に、出来ないって女神様に言われてるから無理なのは知ってんだけどさ」

 

 転生する際に女神に言われた言葉を思い出す。


『貴方が望む世界に転生させることは出来ます。ですが、代償に貴方はこの世界に縛られ他世界へと移れなくなります。それでもいいですか?』

 

 交通事故に遭い死んだ俺は、女神の提案で幼馴染が貸してくれた物語の世界へ転生することになった。

 デメリットとして、他の世界に行けなくなると説明されたが別に他の世界に行くつもりなんてなかった俺は「問題ない」と答えた。

 が、それから転生して十数年。現在俺は生活水準の低さから現代日本が恋しくなっていた。

 何せここは中世ヨーロッパくらいの生活水準。

 電気がない。

 米が食えない。

 テレビもゲームもない。

 トイレが汚い。

 クーラーがない。

 現代日本という素晴らしい世界で育ったもやしっ子の俺には、この世界はあまりにも不便過ぎる。

 あの素晴らしい世界に俺も帰りたい。ポテチとコーラ、ゲームの三連コンボでぐーたらしたい。


「まぁ、ウジウジしても仕方ないし今日も仕事に行きますかね」


 萎えた心に無理矢理鞭打ち立ち上がり、剣を手に取り外套を身に纏い家を出る。


 歩くこと数分。

 俺がやって来たのは酒の匂いが漂う立派な建物、皆さん大好き冒険者ギルドだ。

早朝のため中に入ると殆ど人はおらず、いても酒で酔い潰れている馬鹿くらいでこの時間はかなり静かだ。

 

 「おはようございます!ルヴァンさん。今日も朝早いですね」


 依頼ボードを眺めていると、ピッチリトしたスーツに身に纏った紫髪の長い髪を持つ美女に声を掛けられた。

 彼女の名前はユナさん。

 柔らかそうな目尻とグラマスなボディから多くのファンがいる看板受付嬢の一人で、俺の専属受付嬢でもある。大量の依頼書を抱えていることから今日の張り出しはユナさんが担当のようだ。

 大量の書類によって潰れ、形を変えるメロン級おっぱい。眼福だ。これだけで、今日も生きてけるぜ。


「人が多い状態で並びたくないからな。おはよう、ユナさん。今日はなんか良い依頼ある?」

「そうですね。オーク肉が品薄気味なのでそれの納品依頼と、オークキングのあ…あれを依頼に出してて、この二つが相場よりも報酬が高くて、ルヴァンさんにはオススメですかね」


 書類の束からその二つを抜き取り、頬を少し赤らめさせ渡すユナさん。

 金玉って言わずにあれって言葉を濁すユナさん可愛い。ずっと、そのまま俺が手を出すまで純情でいて欲しい。


「じゃあ、その二つを受けることにするわ。手続きをお願い」

「分かりました。では、書類にサインをお願いします」

「ほいほい、これでよし。お願いします。じゃあ、行ってきます。多分いつも通り昼過ぎには帰ると思うんで」

「はい、お気をつけていってらっしゃい。頑張ってくださいね」


 何だか今のやりとり夫婦みたいだな。

 そんなことを考えながら、ユナさんに見送られギルドを後にこの町の中心部にある迷宮ダンジョンへと向かった。

 

 ◇


  ???視点


 「これじゃ、ダメだ!これじゃあ私は認められないあの人のように!」


 一人の可憐な少女は、オークジェネラルの死体を横目に嘆いていた。

 このままではいけない。

 このままでは、また自分はあの人が来る前のように、鳥籠に囚われてしまう。

 嫌だ。また私はあの息苦しい場所に戻りたくない。

 恋というものがいかに素晴らしいものなのか知ってしまった私は、好きでもない人と結婚したくない。

 ヒロイン


「─私は示さなければならないのです。周りの人間を納得させる程の圧倒的な力を」


 あの人に選ばれなかった負けヒロインである自分が、自由を手に入れるにはそれしか道は残されていない。

 だから、私は進む。

 暗い迷宮の中へと。

 仲間も連れずたった一人で。

 自由を勝ち取れるほどの強大な力を求めて。

 

 あとがき

 宣言通り、大幅改稿を始めました。よろしくお願いします。

 追記

 三話投稿と言いましたが、早く皆様に相違点が分かるよう今日中に後三話ほど投稿します。

 




 


 

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