第15話 マリの実力
私は愛杖たるレーヴァ・テインを憎むべき大塚光輝というクズに突き付け宣告する。
「主の名により、大罪人たる大塚光輝、アンタを制裁する。魂ごと焼き尽くして存在ごと抹消してあげるわ!」
「逆だぜ、忘れられないようお前の体にたっぷりと俺のものという証を刻みつけてやるぜ」
下品極まりない顔でクズが反論する。
どうやらコイツは今でも下半身でしか物事を考えられないらしい。
「その臭い口を開くなと言ったはずよ」
「はっ、俺の力を見てビビっても許してやらねえからな」
クズが自信たっぷりに告げると何もない空間から巨大な
「召喚士だったの?」
「俺様がそんなチンケな存在な分けないだろう。オマケをつけてやる!」
そう言ってまた何もない空間から今度は
しかし、鉄だろうが石だろうがゴーレムごときでは私の相手には力不足だ。
あと、クズは召喚士では無いと自慢げに言ったアレの性格を考えるとブラフでは無いだろう。
クズ自体は大したこと無いが能力は警戒しないと足元をすくわれそうだ。
「人形をいくら出したところで無駄よ」
私は取り敢えず目の前のゴーレムを処理することにし、【
さらにドロドロに変った高熱の濁流を【
しかしあのクズが手をかざすと、うねりを上げて流れていた溶岩流がたちどころに消えてしまう。
「どうだ凄いだろう俺の力は、どんなものでも出し入れ自在なんだぜ。だがらこれはお返ししてやる」
クズがそう言うとまた何もない空間から先程放った溶岩流がこちらに向かってきた。
私は慌てず逆流してきた溶岩流に杖をかざす。
レーヴァ・テインが振動すると溶岩流から熱を奪う、熱を奪われた溶岩は瞬時に凝固して液体から個体に戻る。
「へえ、中々やるじゃないか、ますます気に入ったぜ」
「こっちは、アンタの愚かしさを再認識して、ますます失望したところよ」
コイツは自らの能力を自慢していた。
本当にバカなのだろう私が警戒していたアイツ自身の能力を自慢げにさらすなど通常の戦闘では考えられない。
しかし、アイテムボックスの強化版のような能力は脅威といえた。
「ストックは幾らでもあるんだぜ、本当は街で使うつもりだったが良いだろう、疲れ果てるまで逃げ回ってもいいぜ」
そう言うと奴は無数のゾンビを次から次に呼び出し始める。
どうやらこれで街を襲うつもりだったようだ。
クズによって呼び出された動く死体の群れはこちらに標的を定め進軍し始める。
しかし、いくら数が増えようが私には関係ない、しかもよりにもよってゾンビなんて……。
「ゾンビの弱点て知ってる?」
【
同時に【
しかしクズが取り出した盾のような物で防がれてしまう。
「あっぶねーな、お前、貴重な
「アンタだけには言われたくないわよ、今迄してきたことを考えたことある?」
「ハァ、俺がいつ卑怯なマネしたっていうんだ。証拠はあんのかよ」
この手の輩は何故、自分のしてきたことを省みる事ができないのか?
他人にはどんな卑怯な手を使ってでも貶めるのに自分の立場が悪くなると相手のせいにして自らの正当性を主張する。
「証拠なんて必要ないわよ、知ってるから」
再び私は【
「うぎゃぁあ、耳がみみがぁぁあ」
殆どは吸収されたが、耳を狙った攻撃が当たり左耳を焼き切る。
いまの攻撃で予想は着いたが確証を得るために周囲に散らばる小石を【
「許さねぇ、徹底的に壊してやる」
クズは予想通り【
私はで前方に【
想定した通り物質ではない衝撃波はヤツの能力では取り込むことができず、その衝撃波は魔法の爆発で生じたものだが、魔法では無いため例の盾では防げず、クズは不様に弾け飛んだ。
「どう痛いかしら、でも私の受けた痛みはそんなものじゃないのよ」
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