くとん

 朽ち果てた生家を眺む


 重なった木の柱たちが


 崩れかかった土壁たちを


 傾きながらも支えている


 かの面影はうつならず


 雨晒になりぬ


 泥の地はくとんと沈む


 みずしぶきを上げながら崩れた


 傘をさした小生は振り返らず


 音に聞くのみ

 

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