第2話

〇興禅寺小学校・外観(朝)

 傘を差した児童が登校してきている。


〇同・教室・中(朝)

 教室に入ってくる純平と清子。それぞれ何も言わず自分の席に向かう。

 純平、自分の席に座ってため息。

 そこへやってくる高橋亮人(12)と羽田賢太(12)。


亮人「今日も夫婦登校か、純平」


賢太「ヒューヒュー」


純平「そ、そんなんじゃないよ。幼なじみなだけで」


亮人「わかったわかった。みんなわかってるって」


 純平、ほっとする。


亮人「夫婦だってことが」


純平「亮人くんっ」


賢太「そんなことよりさ、この前話したこと実行するぞ」


純平「え?」


 首を傾げる純平。

 亮人、小声で


亮人「忘れたのかよ。明日の遠足中止だったら学校サボって稲田自然公園行くって」


純平「あれ本気だったの?」


亮人「当たり前だろ。2回延期になって明日無理なら中止。それで明日の降水確率は?」


純平「百パーセント、だったけど」


亮人「だろ? お前の母ちゃん、いつも先に仕事出るんだから。余裕じゃん」


純平「でも清ちゃんにはバレちゃうもん」


亮人「そこだよ。佐久間にバレたらあいつ絶対に先生にチクるぞ。なんとかしろ。出

来ないならお前はメンバーから外す」


純平「それは、嫌だよ……」


亮人「集合は八時。この前教えた場所だ。頼むぜ」


賢太「お前も来ないとつまんないからな」


 それぞれ純平の肩を叩いて、去っていく亮人と賢太。

 純平、自分の肩に手を触れながら悩んでいる様子。

 その様子を離れた席から見ている清子。




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