第100話
嫁と一緒に暮らし始めて5年がたった。
ラピュタ的なお城の中で移動しながら嫁とイオリと数人の羊のメイドさんと一緒に暮らしている。
一カ所にとどまらず、空飛ぶお城で移動している方が喜怒哀楽の楽の力が広がり広範囲で作物などの実りが良いそうだ。
停戦後、バイマンさん達や吸血鬼さんたちがどうなったかは正確には把握していないというか教えてくれないが、平和には程遠い状況らしい。
嫁にはこれからはどこかに肩入れするのは厳禁といわれた。
どうやら、俺は周りから人間族に肩入れしていると思われてるらしい。
嫁から5年間みっちり教育を受けた結果、ようやく相棒から種の創造を行う許可をもらった。
創造するのは人間族。
つまり、いまいる人間族の模倣だ。
そして対象はハルオだけではなく、異世界から来たヒナタ達も相棒に手伝って貰いながら体を創造する。
理由は人間の神様が作って与えたヒナタ達の体はもう使用限界に達していたからだ。
「いやぁ、男の体はいいでござるなぁ、しかもイケメンでござるぅ」
ござる聖女は俺を裏切りイケメン男子の体を手に入れた。
横には注文をたっぷり付けてきて俺を散々に困らせたマユミという美少女。
美男美女カップル誕生で湧き上がる俺の殺意を止めるのにはかなり苦労した。
タヌキュンちゃんを盾にしたあの鬼畜エルフは3年前から行方不明なのでどうしようもない。
ハルオとヒナタは元の姿。
この二人はやっぱり相思相愛っぽいのだが、レナとかいうとんでもない美人さんがハルオの子供を連れてきた。
ハルオは身に覚えがないと言っているが、他にも子供連れの女性いるらしく、とてもややこしい事になってる。
ハーレムとか、ちょっと許せんのだけど?
今思ったんだけど、結局、ハルオはいったん死んだけど、結果的には生き延びたな。
運のいい奴だ・・・
あ、そうか、あいつ豪運もちだったな・・・
『危険デス』
改めて思うに、なんで俺はあいつを・・・
まぁいいか。
そういえば、ヒナタもラファっていう美人さんがべったり引っ付いていて、更にその後をカーツウェルさんが追いかけてる。
色々複雑な人間関係なので遠くから眺めて置くことにする。
続いて肖像画を見て教皇さんの体を作った。
物心ついた頃から神様に乗っ取られていたうえ、ハルオのように記憶がかなり欠落していると思われたので、子供の体を作ってあげた。
残りは神様か・・・
ちらっとダル&マリア夫妻の方をみると可愛い幼女がにっこり笑った。
「長は私が成人するまでこのままでお願いします」
やけに落ち着い物腰で神々しいオーラを放つ幼女。
既に聖女として崇められ始めているらしい。
「創造の力は負担がかかりますから、次に使えるようになるには10年は必要です」
流暢なコモン語で話す。
ドヤァ、苦労したんだぞ!
「分かりました。
それでは10年後によろしくお願いします」
メルマ幼女は綺麗なカーテシーの後、ダル&マリア夫妻と楽しそうに談笑をはじめた。
なぁ、相棒。
この体って成長しないんだよね・・・
『YESデス』
成長しないって結構なストレスになるっていうのはテンプレだし理解していたが、やっぱりきついな。
『慣れデス』
そうかぁ?
マリアのあの巨乳を見てみろ。
立派に育ちやがって・・・
はぁ・・・
そして嫁のおっぱい(笑)を見てみ?
物足りないんだよ。
「クーロースゥー・・・」
水着マントの嫁がやってきた。
なんか怒ってる?
「ルゥイお姉様。
何か御用ですか?」
「あの小娘の胸部見た後に、我を見て大きなため息をつきおったな。」
「はい、胸の小さなお姉様に絶望していました。」
「お、お主がそれを言うか!
我よりも小さいくせに!」
「それは私が頑張ったお陰では有りませんか。
まぁ、苦労した割にはミリ単位の誤差レベルですけどね・・・」
「よーし!
分かった!
今夜はたっぷり揉み「クロス様にルゥイ様!」・・・
なんじゃ?」
「あー、なんて言うか、恥ずかしいので自重してもらえませんか?」
俺が一番むかつく奴がやってきた。
新しくメイド長になったイオリ!
こいつはたった5年であの貧相な体型から前のメイド長並みのナイスなボディに育ちやがった。
そして絶対に触らしてくれない。
ありえんだろ!
「あー、皆さん。
用事が終わったら帰ってくださーい。
これ以上、恥ずかし所見られたくないんで!」
羊のメイドさん達が手際よくお客さんを送り出すと、イオリもすーっと姿を消した。
さっきまでガヤガヤと賑やかだったのに、今はシーンと静まりかえる。
ダル&マリア夫妻。
3年前はまだ子供感があったけど今は立派な大人である。
鏡でみる今の俺の姿は5年前と全く変わらない。
変わらず長く生きることはつらいというのはテンプレなんで理解はしていたが、今は実感がともなう。
嫁が居るのは救いだと思う。
その嫁は毎日自分と俺に施した身代わり紋にチェック怠らない。
理由を聞くと、万が一、何かの弾みで俺が本当に死んだらイヤだからそうだ。
これを聞いて俺は察した。
アレクサあたりと日常的に行われていた、体を引きちぎって殺して貰う頭のおかしな情事。
万が一の可能性でもいいから本当に死にたかったんじゃないかと・・・
「ふふふふふ。
これからクロスの胸を大きくする施術をおこなうぞ!」
嫁が後ろから抱きついてきて、胸をまさぐってきた。
「あまり痛くしないで下さいね。」
「おお!
任せておけ!
我と共に極楽浄土にいこうぞ!」
ふふ、そうだね。
いつか死んで天国に行くなら一緒に行こう。
【終わり】
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前略 微ロリ魔王少女にTS転生しました。 かしこ。 老師 @sanpa009
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