第86話
なんでフィリアが俺の血を吸うわけ?
大きな八重歯に目の色も美少女ボディのように真っ赤だ。
「吸血鬼?」
「私、人間止めたの・・・」
えええっ?
信じられない
フィリアに一体何があったんだ?
っていうか怒ってる?
すごい怒りの圧を感じるだけど!?
「無理やり?」
ジッとミリアさんの方を見る。
そう言えばボールドって奴がミリアさんを無理やり吸血鬼にした。
あいつか?
あいつなのか?
嫌がるフィリアをむ・り・や・り!
もうあいつの金的に必殺の前蹴りをかますしかないな!
「違う・・・
その前に・・・
ベビ何とかして・・・」
ベビ?
周りを見ても黒蛇君は見当たらない・・・
どこ行ったんだ?
「下・・・」
下を見るとフィリアに噛みついていた、というより、巨大化してフィリアを腰の辺りまで飲み込んだ状態で、じっと俺を見てる。
何となくわかるこいつ「喰っていい?喰っていい?」と俺に訴えかけてる。
フィリアをぎゅっと、ぎゅーーーーっと抱きしめて、「だめ」というと、吐き出した。
ああ良い香りがするし、巨乳による圧迫感、ムラムラ感があっていい感じである。
「妹様!
この吸血鬼はご許可も得ず勝手に吸血行為を行いました!」
アレクサはスライムに飲み込まれながら、叫んでいる。
周りを見ると黒バニー達も巨大なスライム達の中に取り込まれていた。
「ルゥ・・・じゃなかった
クロス様から何時でも吸って良いって許可もらってるわ」
ミリアさんがニヤニヤと顔を真っ赤にしながらスライムに呑まれるアレクサを見ながらとんでもないこと言ってる。
そんな許可出したっけ?
「勝手に、吸う、ダメ」
いや、確か吸って良いと言ってたような記憶はあるな。
まぁいいけど、ちょっと心の準備がいるので不意打ちは困る。
「分かったわ。
でも、この子、吸血衝動が強かったら、今回は急いでいたの
それに最初の吸血相手は大切なの」
吸血衝動ねぇ・・・
っていうかボールド出せや!
何でフィリアを吸血鬼にしたんだ?
フィリアを見るとスゥスウと寝息をたてて眠っている。
俺はフィリアを椅子に座らせて、ミリアさんに近づいた。
「フィリア、吸血鬼、だれ、なぜ?」
ボールドがまた余計な事をしたと思うが、念のため確認。
「家庭の事情っていうか、居場所の問題よ」
家庭の事情で吸血鬼になりました?
なんだそれ。
意味不明すぎてムカつくな。
「あ、え、あのですね。
本人の強い希望だったし!
私もたまには若い女の子の血が欲しかったのよね
も、もちろん下僕扱いしないというか、そういうのは解除しとくから!」
本人の希望ねぇ・・・
ってゆうかお前か!
相棒、吸血鬼化を止めること出来る?
『既に吸血鬼デス』
そうか・・・
事情はフィリアが起きたら聞くことにする。
「アレクサ達、解放」
黒バニー達がスライムの中でビクンビクンしてる。
餌になるんじゃないか心配である。
「彼女達が満足したら吐き出されるから大丈夫。
むしろこの子達を中途半端な状態で出す方が危険だと思うわ」
満足?
あー、そう言えば、このスライム達の中って性的に気持ちいいんだっけ?
ゴクリ・・・
スライムの中の黒バニーをよく見る恍惚としている。
ちょっとというか、すんごい気になる。
ミリアさんにお願いしてみるか!
「ミリア、スライム、入りたい」
会心の笑顔でお願いしてみる。
「え!
あー、クロスにこういうのは早いわね
それにルゥイ様に知られたら・・・」
スライムの色が変わり、中の様子が見れなくなった。
なに、自称姉に知れたら何かするのか?
っていうか、あいつが来たら速攻逃げるつもりだったがこないな。
「いじわる、もう、血、吸わさない」
ここは見えざる自称姉の圧力に対抗すべく俺もカードを切る。
「無理、ごめんなさい」
おい、即行断られたぞ。
そしてミリアさんの視線は俺の後ろに向いている。
何かさっきより顔色が良くない。
まぁ吸血鬼なんで顔色悪いのはデフォルトかなだけど、自称姉でもきたか?
相棒、速やかに脱出する!
『吸血鬼の女性放置デスカ?』
フィリアは一旦ミリアさんに任せる
まずはわが身の安全を確保する!
「これはこれはクロス様」
この声はメイド長か。
後ろを向こうとしたが、あっと言う間に両脇に手を入れられて持ち上げられた後、膝の上に座らせられた。
嫌な予感しかしない。
緊急脱出する!
「テレポー・・・ングゥアアア!」
メイド長のゴッドハンドが下腹部をなでると強烈な刺激で身体が勝手に仰け反った!
ひぃいいい!
これってイったって奴じゃないか?
メイド長の下腹部ナデナデはすっげー気持ちいいけど、ミリアさんがじっと見ていて恥ずかしい。
「ゴーランド様、それはルゥイ様に怒られるんじゃぁ」
「変な輩に付いていかないように、処理しているだけです。」
ミリアさんが恐る恐る止めたが、メイド長のひと睨みで黙ってしまった。
「はなせぇ、っくぁああああああ!」
「ふふふ、ダメです」
くぅぅう、また身体が勝手に!
「もう無理・・・
あっ、そこだめ・・・」
「ここがいいんですね」
だからやめろぉ
・・・
・・・
・・・
身体に力強いが入らないし、なんか、頭がボーっとしてクラクラする。
あ、なんか唇に押し付けられたな。
紙?
なんかいっぱい文字が書いてあるな。
なんだろ・・・
ってまた!
もう無理!
強過ぎる!
またキタぁああああ。
・・・
・・・
・・・
「これでクロス様は今回のペールゼン殲滅軍の最高司令官となりました。
これは今後あなたの配下となる魔王達の忠誠の証。
そしてこれが私に全権を委ねる委任状です・・・
あらあら、気持ちよすぎてもう息も絶え絶えですか?」
意識が朦朧としていたが、俺が司令官らしい・・・
よくわからんし、もう限界だけどこれだけはイっておく・・・
「速やかに・・・
くぁ!
退却・・・・
あっあああああああああああああああ!
・・・
・・・
・・・
せ・・・よ・・・」
「あらあら、聞き取れませんでした」
おいこら・・・
でも満足である
ガク・・・
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