白雪姫とイチャイチャしながら勉強
「テストのことすっかり忘れていた……」
好きな人のうなじを堪能した後、隆史は姫乃の『きちんとテスト勉強してますか?』の一言で焦りを感じた。
赤点なんて今まで取っていなかったものの、それはきちんと勉強をしていたからだ。
勉強をしなければ赤点を取る、というほどではないが、しなかったら赤点に近いくらいの点数になるだろう。
朝ご飯を食べた後、隆史は姫乃と部屋でテスト勉強することになった。
最近は姫乃のことを考え過ぎたため、もうすぐテストがあるのを失念していたのだ。
一度家に来て朝ご飯を食べたら帰っていった麻里佳は、姫乃と一緒にいるのを邪魔したくなかったのだろう。
今までだったら『お姉ちゃんがお勉強教えるね』とか言ってきて一緒にしていたのだが。
「分からないとこがあったら言ってください。教えてあげますね」
小さなテーブルを挟んで向かい合って座っている姫乃は、教科書とノートを広げてスラスラと問題を解いている。
嫌な予感がして朝早くに来たらしいが、そのことが片付いたら一緒に勉強をするつもりだったのかもしれない。
「分かった。その時はお願い」
学年一位の学力である姫乃の教えて貰えるのは有り難いだろう。
ただ、頭が良いからといっても、教えるのが上手いとは限らない。
恐らく姫乃は友達に勉強を教えたことはないはずだ。
でも、頭は良いため、要点を纏めるのだけは出来るだろう。
その要点さえ分かってしまえば、勉強なんてある程度は出来る。
(向かい合って座るのは変な感じだ)
全くしたことないわけではないが、基本的には隣同士だったから向かい合って座るのに違和感を感じた。
「どうしました?」
「か、いや、何でもないよ」
見ていることに気づいたのか姫乃が尋ねてきたが、勉強したいのに隣同士に座ってくっついたいと言えるわけがない。
「タカ、くん」
「……え?」
ピトっと足に温かい感触が伝わってくる。
一瞬何が何だか分からなかったが、このタイミングでの温かな感触は一つしかない。
(ま、まさか姫乃の足?)
隆史の足に触れているのは間違いなく姫乃の足だ。
しかも今日の姫乃は丈の長いワンピースで靴下を履いていないため、彼女の指や足裏の柔らかな感触が直に伝わってくる。
隆史の着ているものがハーフパンツだというのも直に伝わる原因だ。
「触れ合っていると安心しますけど、勉強してる今は、隣同士は良くないですからね。足で触れて、ます」
頬を赤くしている姫乃からの言葉は、隆史にとって恥ずかしくさせるだけである。
好きな人との触れ合いは足だけでももちろん嬉しいが、全く慣れていない足だと普段より恥ずかしい。
触れてきた姫乃も恥ずかしさがあるようで、プニプニ、と足で触ってきていても「あう……」という声が漏れていて筆が進んでいなかった。
「そ、そう……」
頬を真っ赤にしている姫乃は本当に可愛いな、と思いながらも、隆史はなるべく恥ずかしがっているのを悟られないようにする。
身体が熱くなってきているから悟られているかもしれないが、勉強中に変に意識してしまってはいけない。
「タカくんからも、触ってください。タカくんから触ってくれた方が、安心します」
「ぐおぉぉぉぉぉ」
あまりにも破壊力抜群の言葉に、隆史は奇声を発してしまった。
「ごめんなさい。勉強中なのに、嫌ですよね」
この奇声が嫌がっていると思ったらしく、姫乃は悲しそうな顔をした。
「い、嫌じゃないから」
好きな人との触れ合いは、いかなる時も嬉しいに決まっている。
むしろ出来ることならずっと触れていたい。
「じゃあ、触ってくれますか?」
「もちろん」
恥ずかしくも頷いた隆史はゆっくりと姫乃の足に近づけていく。
「あ……」
触れた瞬間に可愛い声が漏れた姫乃は、さらに恥ずかしくなったのか耳まで真っ赤にさせた。
この柔らかさからすると、恐らくはふくらはぎに触れているのだろう。
これ以上奥……太もも辺りも触ってみたいが、流石によろしくない。
「私も……」
お互いの足を触れ合いながら勉強をした。
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