135試合目 決勝
なんとなくで準決勝は進み次は決勝戦となった。俺たちは余裕なのでいいとして彩花の方は意外と苦戦するかもしれないな。相手が相手だからな……。
彩花たちの相手は前回優勝者のビオラさんがいる……!!!
化け物対アマゾネス……!!! 見ものだ
まず仕掛けるのはチーム化け物。一人目がまずサーブで相手チームにボールを打つが相手チームのリベロは学内最強リベロの高岡さん!!! 簡単にとられてしまう。
そしてそれをもう一人の錦戸さん、通称“正確ピッチャーロボ”がアマゾネスに寸分の狂いもなく上げ、それをアマゾネスが殺人スパイクでたたきつける。
「さすが……これには誰も反応できな……!!!」
俺は気づいた。確かにアマゾネスの打った球が変な方向に飛んだと思っていたが、打ったところを見るとギリギリで彩花が足を出していた。
(まさか……!!! あの球に反応したというのか!?? だとしたら……)
勝てるかもしれない。という言葉は飲み込んだ。作者はあほだ。テンプレを好む習性があるからここでもしその言葉を発すれば確実に死亡フラグ真っ逆さまだ!!
俺はいわない……!!! 決して!! 決して!!
「お~!! これは勝てるかも~~!」
「貴様春馬ぁぁぁぁっぁあぁああああ!!!!!!」
「え!?? なに!? ちょ!! やめ……!!!」
俺は春馬の胸ぐらをつかみ鬼の形相で見つめたが、後ろに鬼女が立っていたためそっとその手を離した。
「懸命な判断ね? 徹」
「はい。すみません」
おっとこんなことをしている間に1セット目が終わってしまった。相手はあと1セットとってしまうと彩花たちの負けだ。直属の先輩として何かできることはないのか……!!!
世の中は無常である。一時はリードをしてもアマゾネスが追い上げ追い抜く。
「24ー25かあ。これはビオラさんたちの勝ちかしらね??」
「いや……まだだ!」
俺はよく見ていた。故にまだ彩花たちの闘志は消えていなかったのを知っていた。
ビオラがスパイクを打った瞬間、彩花たちのチームの女子二人がブロックのためジャンプをしたがそのままその女子たちの手にぶつかり球はあらぬ方向に飛んでいく。
「これは……もう……」
他の生徒たちがそう悟った。その時だった。
彩花は自分の位置から飛び出しその球を追った。彼女の脚力ならではの速度を出し、見事その球に追いついた瞬間。その球の位置はコートから出て観客席の前あたりだっただろうか。そこから彼女は最高打点、最高速度、まるでレーザービームのようなスパイクを打ったのだ。
まさかそんなスパイクを打つとは思わなかったアマゾネスチームのブロッカーは反応が遅れ、彼女らの手ではじけ飛んだ。
点数は変わる 25-25
その瞬間。俺は生涯で最も大きな歓声を聞いた。
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