99試合目 とうとう始まる文化祭
とうとう始まったか……。文化祭!!! 結局男女間の仲が戻ることはなく、女子は教室を、男子は外でやることとなった。
あの後鈴が教えてくれたのだが、女子は“男装喫茶”をやるらしい。
まあ……そんなことは置いておいて、
「今日は楽しむぞ!!!!」
「「お~!!」」
「久しぶりだな? 紫」
「そ、そうだね……!! 今日まで僕、すっごく楽しみにしてたんだ。昨日もドキドキして全然寝るまで時間がかかったよ!!」
本当に楽しみにしてたのは、キラキラした眼と身振り手振りでよく伝わった。
「やっぱ……。可愛いな」
「え!??」
「ん?? やべ! 声に出てたか!?」
しまった……。あの告白から意識しているためか余計にそう思うのだ……。
「う、うん……。でも……。うれしいよ?? ありがとう」
顔を真っ赤にしながら上目遣いで俺の方を見る紫は小動物的可愛さがある。
「兄さん??? 私はどうでしょうか??」
最近俺の背後から出てくること多いけど、俺の影にでも住んでんの???
「もちろん!! いつも通りカワイイぞ?」
「ふふん! よかったら頭をなでてもいいですよ?」
「はいはい」
頭をなでると目を細めて喜んでいるのがわかる。前世はハムスターだな。
他にも、鈴、春馬、さくらが一緒だ。
凛は仕事で見回り中だ。
「でもみんな同じ時間に休憩取れてよかったね!!」
確かに春馬の言うことはもっともだ。奇跡に近い。
「そうだな。じゃあまずはどこに行く??」
「私行きたいとこあるんだよね!!!」
鈴が手を上げぶんぶんと振りながらそういうので俺たちはその鈴の行きたい場所に向かうことにした。
「ついたよ~!!!」
全体的にピンクと白で彩られた装飾品が特徴的なそこは
「メイド喫茶か!!!」
「そだよ~!!! 一回行ってみたかったんだけど普通の店だと敷居高いじゃん??? だからここで楽しみたいなあって」
「確かに入りづらい店の形してるからな。いいんじゃないか」
「じゃあ早速入ろう!」
春馬が先陣を切ってみんなで入った。
席は俺、紫、柚希とさくら、春馬、鈴で別れた。
しかし入ってから周りがざわざわしていた。
それもそうだ。学校一の美女とモテ男が同席でいるのだから。
「ここここちらが愛情たっぷりコーヒーになります……!!!」
あっちの席に飲み物を持っていくメイドさんの手はすごく震えていた。
あらためて春馬って人気なんだなっと知った。
しかしこっちに来るメイドも大変そうだ……。
「くまのオムライスです!」
メイドさんは笑顔で熊の形をしたオムライスを持ってきた。
「ふふ……かわいいね? ありがとう」
紫の魔性の笑み発動。メイドは倒れた。
確かに紫も大会優勝してここら一帯では有名人だもんな……。
その気持ち! わかるぞおお!!
いつの間にかメイドに共感していた俺だった。
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