98試合目 どうなるんだ。

 今日は久しぶりに部活動。ここが今となっては人目を気にせず、みんなで集まれる唯一のチャンスだ。

「今日の仕事は文化祭の準備か」

「そうよとおくん。私と一緒に頑張りましょうね??」

 最近凛といることも少なかったしなんだか久しぶりに顔を見た気分だ。

「そうだな。俺もわからないことがあったら凛に相談するよ」

「わかったわ。もはや頼りすぎてもいいくらいよ」

「に~~~~~い~~~~~~さ~~~~~~~ん~~~~~~~」

 俺の後ろからまるでスタンドの如く現れたのは柚希だった。

「うわあ! びっくりした……。なんだよ? 柚希」

「『なんだよ?』じゃないですよ! イチャイチャしないで仕事に集中してくださいね!!」 

「してねえよ!!」


一方そのころ春馬サイドは、

「は~る~ま~く~ん~」

「どうしたの?? 咲夜さん」

「ん~!! おしい!! じゃなくて文化祭……。よかったら私と一緒に回らない??」

「ん~。西屋敷と回るから今回はごめんね!」

(おのれ西屋敷!! ふざけやがって!!!)


「なんだろう? なんだか寒気が……」

「どうしたのとおくん? 噂でもされてるの??」

「いやそれはくしゃみだろ」

「そっか」

 こんな感じで準備を進め二時間がたった。


「おわったああ!」

「お疲れ様。とおくん、何か飲み物はいるかしら? 私買ってくるけど」

「いや……俺もついていくよ。凛をパシるようなことはしたくないしな」

「大丈夫よ。とおくんにぞんざいに扱われたら私、はあはあはあ……」

「うん。俺もついていくわ」

「そ、そう?? まあまたそれも一興ね」

 俺たちは一緒に自販機まで向かうことにした。

「そういえばとうくん、何か悩み事とかない???」

 まるで確信をつくように一言そういった。

「な、なんでだ??」

「いや……。なんとなくよ?? 見てればわかるわ。だって私……幼馴染よ?」

 いやあまったく怖いもんだ。幼馴染ってやつは……

「そうだな……。少し悩みはあるかな……」

「ふ~ん?? よかったらいつでも私を頼って? いつでも力になるわ」

「なんだ!?? 初めて凛がまともな人間に見えたぞ??」

「ひどい!? 私だって乙女よ?? そんな言い方されたら……はあはあはあ」

 うん。とりあえず荒い息を止めてから言え??

「まあ……。とりあえずなんかあったら頼らせてもらうよ。生徒会長」

「ふふ……。わかったわ」

 俺たちはこの後みんなで休憩をしつつ雑談を楽しんだ。


 もうすぐ始まる文化祭。俺たちは問題を解決できるのだろうか。

 あ……。そういえば俺たちケバブ屋か……。

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