34試合目 セイバイ
「ちょっと待て!!!もしかして今までの会話を録音してたって言うのか???!」
蓮は顔色を少し悪くしながら声を荒げた。
「まあそうなりますね。せーんぱい♡」
春馬の前の時のさくらの真似をしながら徹は蓮を煽った。
「て、てめえ!!!!」
蓮はギリギリと歯ぎしりをしながら血眼で俺をにらみつける。
「一つクイズを出しますね!!先輩!」
「クイズ…???てめえ何のつもりだ!!!」
すでに理性を失いそうなほど蓮は焦っていた。
「デデン!!!!問題です。僕のsnsはほとんどが同じ学校で先輩後輩含め300人以上がいます。さてこの音声を投稿されたくなかったらどうすればいいでしょうか???」
そうだ、ここで白村に謝るといえばそれで済むんだ…
「そんなの決まってるよなァ!!!!お前らをぶっ飛ばしてスマホを奪うだけだ!!!!」
そういうと蓮は取り巻きを含めた三人と一緒に徹に襲い掛かろうとした。
「だろうな…!!!そういうと思ったよ!!! 紫ィィィィィ!!!!」
名前を叫ぶと、紫が木の棒を持ち音速でみねうちをし、三人を気絶させた。
「お…おま…えは…さっきの…」
「ごめんね?僕もイライラしていたのさ。」
紫が睨みつけると蓮は倒れた。
「いやあ…助かったよ。紫。」
「そんなこと…全部徹君の作戦のおかげだよ。」
時を遡ること10分前—
「で作戦ってどうするの???」
柚希は徹に質問した。
「作戦はこうだ。俺と春馬が囮になってあいつの口から白村についての録音をして、あいつらが襲ってきたら紫があいつらを気絶させてくれ。」
「そ、そんな!!!兄さんと春馬君がそれじゃあ危ないよ!!!!」
柚希は俺たちを心配してくれた。それはきっと昔、あんなことがあったからだろう…
だからその心配を取り除いていかなければならない…。
「大丈夫だ。兄さんたちに任しとけ!」
俺は震えてる柚希たちに何も心配する必要はないと親指を立て笑った。
「いやあ…作戦がうまくいってよかったわ…」
とりあえず俺たちは震えた腕をたたきながら、蓮たちを拘束した。
そして徹は蓮の頬を起きろ~と言いながら軽くパンパンと叩いた。
「ん…ここは…って動けねえ!!!!てめえら…!!!!」
また蓮は俺たちをにらみつけた。
「先輩…。どうですか??白村さんに謝りませんか??」
「誰が謝るか!!大体白村なんてヤレればそれd…」
「図に乗るんじゃねえぞ!!!!!!」
徹は初めて怒りで大声をあげた。
そして蓮の胸ぐらをつかんだ。
「次そんな下衆なことに他人を巻き込んでみろ、次は気絶じゃすまない。これはお願いじゃない、忠告だ。」
徹は声を落ち着け冷静に、かつ奥に何かを含めたような真顔で連をにらみつけ返した。
「…」
「わかったか?」
「…わかったよ。」
蓮はおびえながら小声で答えた。
「あ?」
「わかりました!!!」
徹は胸ぐらから手を放し蓮たちを解放した。
「ほら、いけよ。」
「「「はい!!!すいませんでした!!!!」」」
三人は声を震わせながら走って去っていった…。
「ったく、これじゃあどっちか先輩かわかんねえな。なあ春馬…??、春馬???」
春馬は横で俺の方を見て泣きそうな顔で震えていた。
「なんでお前がビビってんだよ!??」
「あい…」
ここから元の春馬に戻るまでかなり時間がかかった。
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