31試合目 モクゲキ

 「さっきの助けてくれた人は兄さんの先輩ですか????」

 「そうだよ。あの人は同じ剣道部の一個上の先輩さ。」

 「兄さん剣道部だったんですか!???」

 「」

俺がさぼってることを言ったらおそらく柚希はぶちぎれるだろうな… 

とりあえず話をそらすことにするか…

 「ところで白村の奴、彼氏とはぐれたとか言ってたな。」

 「いいじゃない。あんな奴!次あったら春馬君の悪口を訂正してもらうために拷問するわ。」

 こっわ。

 「それもそうか。ほっといて楽しもうか。」

 「「「うん!」」」

五人集合した俺たちは花火の会場までゆっくりと歩きながら屋台も見ることにした。

 「見てみて!!!!射的があるよ!!!!」

春馬は射的屋の方に向かって指を指した。

 「お!いいじゃないか!やろうやろう。」

西屋敷はノリノリに答えた。

 しかし射的屋のおじさんが異常におびえている…。

 「おじさん、どうかしましたか???」

 「こわい!!!!あの嬢ちゃんがさっき景品を脅してとってこうとしたんだ!!!。」

 射的屋のおじさんは文字通り頭を抱えながらさくらの方を見た。

 「さくら…。」

 「だって仕方ないじゃない!!!!春馬君がどうしても欲しいっていうから…」

 「でも脅しはダメだろ…」

 「だってどんだけ撃っても落ちないんだもの!!!」

そんな訳・・・・ 

 「おじさん、一回やらしてもらっていいかな??」

 「いいい、一回500円ね…」

 「はい、どうぞ。」

徹はお金をおじさんに渡し、銃にコルク玉を詰め、狙いを定めて商品を撃った。

かなり狙いもよくたとえ倒れなかったとしても絶対に動くくらいはする一撃だった。

のだが…。

    玉は商品に思いっきりはじき返された。

 「はいざんねん!もう一回!」

 「おい!!!!やってんじゃねええかああ!!!!!!」

徹は声を荒げた。

 「兄さん!!!落ち着いて!!!!」

 「…くう、そうだな。別の店に行こう…。」

そうして詐欺射的屋を出た俺たちはまた歩き出した。

 「次俺チョコバナナ食べたい!!!!」

 「また食べ物…??」

 「ダメだった…???」

 「いや別にいいけどよ…」

もう正直胃袋ぶっこわれそうだ…

 とりあえずチョコバナナを買った俺たちは人通りの少なく花火が見やすい位置に移動することにした。

 「とりあえず目的地には到着だな。」

 「あい!」

 「ねえねえ徹君。」

 「どうした??」

 「あれってあの女の彼氏さんじゃない???」

指をさした先には白村の彼氏と複数人の男たちがいた。

 しかしなんで彼女をおいてこんな人の少ないところにいるんだ…?

 白村の彼氏の蓮はその男たちと話している様子だった。 

 「あんな奴の彼氏なんてほっときなさい。」

さくらは俺に言った。

 

しかしよくあいつの会話聞こえないな…なんて言ってるんだろう…??

 その時俺は確実に彼氏がこういってるのを聞いた。

 「あいつなんてヤッたら捨てるだけのゴミだよ?wwww」

 と。

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