(四)

 翌日、木野鞍馬が自分の事務所にいると、秘書がノックして部屋に入ってきた。波川社長から電話が入っているという。

 木野は電話に出ると、簡単に挨拶をしてから「お宅の社員二人が行方不明ですって? それであれば捜索願を出されるのがいいですよ」と続けた。

 その後「えぇ、会いました。でもその後、市内で降ろして別れましたよ。……さあ、そこまでは」と言ってから受話器を置いた。

 木野は椅子を回転させて後ろを向いた。そして金庫の鍵を回して金庫を開けた。金庫には札束がぎっしりと詰まっていた。


(続く)

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