第90話 眠るの

エステルちゃんは寝袋シュラフに入って半分寝ていて。


「みゃー?!

 何処行ってたの?

 迷子になったんじゃ無いかと心配してたんだよ」


ゴメンにゃさいね。

瞼がくっつきそうににゃってるエステルちゃんの寝袋にわたしは潜り込む。


「良かったー!!」


と言ってエステルちゃんはわたしの身体を抱きしめる。

わたしの身体に顔を埋めて、もう寝そうににゃってるの。

今日は小型船ジャーエヒで舵を取ったり、戦ったり。

いっぱい行動したもの。

疲れたでしょ。

わたしもよ。

一緒に寝ましょう。


見上げるとステュティラちゃんはハンモックで寝てるわ。


「これユラユラして面白い」


ステュティラちゃんも半分寝ていて、ネゴトみたい。


わたしもエステルちゃんの横で目を閉じる。


今日の事を思い返すと……あまりにもイロイロ在って。

アズダハーグ皇子は無事だったかしらとか、

アジ・ダハーカさんのコトとか。

アレは皇子の妄想じゃなくてホントに邪龍なの。

護衛の男性は大丈夫かな。

顔色は良くなっていたから平気よね。

アザム団長のコトとか。

ホントウに前王の関係者にゃの。

えーっとあのはにゃしだと……

ジャムシード王の弟の子供だから、甥にあたるって事かしら。

ならペルーニャの次期皇帝を……

アズダハーグ皇子とアザムさんが争うの?

あらっ、イルファンさんはアズダハーグ皇子ににゃにか言ってた気がする。

アザム団長は貴方の味方で親交を結びたがっている。

そんにゃにゃいようのはにゃしをしていたようにゃ。

イルファン隊長か。

あの技。

気配を無くして忍び寄る。

アレが、ズルワーン神の加護の力にゃのかしら。


夜の河、キレイだったにゃ。

大河ザーヤンテ。

飛び跳ねるさかにゃたちも可愛かった。

また見に来たいわね。

いやまだ、明日もザーヤンテ河を船で遡るんだったわ。


それ以外にもジュアンさんの計画とか。

ファオランさんとアザムさんを近づけさせるとか。


思い返してみると、イロイロ考えることがたっくさんあるんだけど。

もうこれ以上考えていられにゃいの。

だってホントウに眠いの。


全部わたしには関係にゃいわ。

エステルちゃんとヘレーナさん、ついでにライールさん。

わたしは自分の家族の幸せだけ考えてればいーの。

それ以上知らにゃい。


わたしの横にエステルちゃんがいて幸せに寝息を立てている。

それ以外、どーでもいーわ。

みゃみゃみゃ……みゃ……

瞼を閉じると意識がすぅっと消えて行くわたしにゃの。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る