第88話 ふさわしい男

にゃんだかジュアンさんの言ってる事は少しフクザツね。

えーーと。

ファオランさんはイケメン好き。

若いおんにゃの子がハンサムにゃ殿方に憧れるのはアッタリマエだわ。

最近は顔面偏差値にゃんて呼ぶのかしら。

それが高い人に惹き寄せられる。

わたしだって、若い頃は……

あの人と結婚してからはハンサムにゃんて男性の本当の価値じゃにゃいと思う様ににゃったけど。


でもそれ以上にファオランさんは商人として自分を成長させたいと思ってる。

取引先の護衛団の団長に気に入られるのも商人の仕事のウチ。

だからアザムさんと親交を深めろとファオランさんにシンイーさんが指示する。

そのはにゃしの持って行き方にゃら、ファオランさんは確かに前向きに受け入れるかもしれにゃいわ。


でもそれは更に真の狙いがあって。

アザムさんはペルーニャの前王の血筋。

ジュアンさんの読みが正しければ、次期皇帝もあり得る。

そんにゃアザムさんとファオランさんをくっつけてしまう。

正妃はムリでもおメカケさんにしちゃおうと言う計画。


うーーん。

政略結婚って、少し古くにゃいかしら。

しかもオメカケさん、って。

男女平等の世のにゃかにゃんでしょ。

そう思うけど、広大にゃペルーニャの皇帝ですものね。

令和の時代だって、王族や企業のトップともにゃれば、そうそう自由恋愛ともいかにゃい。


わたしは考えてる。

良いはにゃしにゃのかしら。

悪いはにゃしにゃのかしら。



「分かりました。

 さすが段梓豪ジュアン・ズーハォ様。

 考えが壮大です。

 わたしでは考え付かないお話ですわ。

 そんなトコロが旦那様のステキな所です」

「そうだろう。

 ワタシだって娘を愛してはいるが……

 ジュアン商会の発展のためだからな」


「それはウソですね」

「……なにを言う? シンイー」


「旦那様、以前からファオラン様のムコをどうしたものか、悩んでいましたね」

「ん、まぁな。

 あの娘は商人としての才がある。

 どこかに嫁にやるのは惜しい。

 しかし誰かムコを取らせるにしても相応しい男が見つからなくてだな」


「そこで思ったんですね。

 ファオランさんの結婚相手に相応しいのはペルーニャの次期皇帝クラスだと」

「…………それが何かおかしいか。

 ファオランは親の私が言うのも何だが、キレイな娘に育ったぞ。

 それに加えて頭も良ければ、向上心もある。

 部下を気遣える優しい精神の持ち主でもあるのだ。

 そんな娘にフツーの男がふさわしいモノか。

 まさにオマエの言う通り。

 次期皇帝でも無ければあのファオランに見合う男などおらん!」

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