第31話 戦闘

何体ものパピルザク。

胴体の後ろから尖った尻尾を振って襲ってくるサソリの魔物ダェーヴァ


剣を構えていたステュティラちゃんは、尻尾を弾き返すけど。


「ちょっとちょっと~。

 数多過ぎよ、ジョーダンでしょ」


ステュティラちゃんが正面の尻尾と斬り合ってる間に、後ろから別のパピルザクが襲ってくるの。


その尻尾を華麗に斬り落とす人影。


「これはマズイね。

 みんな、尻尾の先端に気を付けて!

 サソリの尻尾には毒がある」


エラティ隊長ね。


 

「みゃんですかい! みゃんですかい!

 バケモノですかい!」


虎タルさんは慌ててる。

猫たちのボス、太った大きな猫だけど。

街ネコですものね。

街の外で魔物ダェーヴァに遭遇する経験は少にゃいハズよ。


「いやーん、怖いわー。

 虎タルー、わたしを守ってー」


その身体に縋り付いてるリリーちゃん。



二にゃんのネコたちの頭の上にもパピルザクの尻尾が現れるの。

アブにゃいっ。


「アイヤー」


気合とともに、尻尾を蹴り飛ばすのはファオランさん。

赤いチャイナドレスの少女。


スックと甲板デッキに立って、船のヘリから上がってこようとする魔物ダェーヴァを蹴り飛ばす。


だけど、パピルザクサソリだけあって固いのね。

蹴られたくらいじゃ、そんにゃにダメージありそうに見えにゃいわ。



「父さん、舵替わって」


「分かった、エステルは隠れてなさい」


エステルちゃんは船の舵をライールさんと交替している。


「いやだなー、隠れないよ。

 私だって、護衛団に入ったんだよ。

 まだ見習いだけど、戦士なの」


「なんだって?!

 エステル、ちょっと……」


舵を手離す訳にもいかにゃくて慌てるライールさん

その横で少女は唱える。

 

「ルドラ・シヴァーヤよ。

 猛々しくも慈悲深い、至高の王よ。

 我に風の御力を貸し給え」



『ピナーカ』


エステルちゃんから鋭い風がはにゃたれるの。

風はサソリの魔物ダェーヴァの身体をキレイに切り裂いた。



ステュティラちゃんが剣を振るう。

ファオランさんがハイキックを見舞う。

エステルちゃんは風の魔法。


エラティさんは素早い動きで右へ、左へ。

甲板デッキに上がって来るパピルザクを斬り付ける。


だけど。

サソリの魔物ダェーヴァったらにゃかにゃか数が減らにゃいわ。

倒したと思ったら、また船のヘリから姿を現す。

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