第24話 交易都市を後に
この船、陸地の上に浮かんでいる?!
気ににゃる、気ににゃる!
わたしは
船の手すりから身を乗り出してみると。
間違いなく、砂船は宙に浮いていた。
「エステル、風の力が強すぎる。
船が浮き過ぎてるんだ。
これじゃ安定しない。
もっと高さを下げるぞ」
「……船の下部が岩にぶつかっちゃわない?」
「父さんの操船を信じろ」
「……うん」
にゃんとにゃく、エステルちゃんの周りに吹いてる風が弱まったようにゃ気がして。
船の三角の
緩やかに張った状態に戻って。
「ビックリしたー!
アレは揺れるなんてモンじゃ無いわよ!」
「ウンウン、ビックリタマゲタ!」
ステュティラちゃんとファオランさんは客室のにゃかでひっくり返っている。
支柱に掴まっていたけど。
あの揺れじゃあね。
「ゴメン、ゴメン。
アタシが張り切り過ぎちゃった」
「……もう大丈夫だ。
今、船は地面の10センチから20センチ上を移動してる。
下が砂場や柔らかい土なら地面に触れさせちゃったほうが安定するんだが。
ここは岩場だからな。
下手にぶつかったら
みんな船の揺れには驚いているみたいだけど。
船が陸地の上に浮いてる事は気にしていにゃい。
そうか、この砂の国ではフツーにゃのね。
ウーン。
わたしまだ知らにゃいコトがいっぱいだわ。
『
ジュータンが空を飛ぶ事に比べたら……
船が宙に浮くくらいフツーよね……多分。
ファオランさんが客室から出て来る。
赤いチャイニャドレスの少女。
彼女が見つめるのは
この岩場は街から少しはにゃれた場所。
ホルムスの街が横に見えていて、船は思ったよりスピードが出てるのかしら。
そろそろ街を通り越して、荒野へと辿り着いてしまいそう。
「……リリー」
ファオランさんの愛猫のにゃまえだわ。
探したんだけど、結局見つからにゃかった。
猫を置いて行っちゃうのを気にしてるのね。
ホルムスの街を覆う塀が終わって、ついに船はホルムスの街からはにゃれていく。
ファオランさんは街を見つめていて。
その目からは涙がこぼれそう。
…………あらっ?
アレにゃにかしら……
ホルムスの塀の上からにゃにかがジャンプして。
こっちの方へと跳んでくる。
あれは人だわ。
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