第99話 ネルガルの瞳

ナワバリ?!

女神様にもナワバリにゃんて言葉有るのね。


「ああ、有るぜ。

 だってのによ。

 なんだかバステトのヤツ、この街にショッチュウ入り込んでるみたいなんだよな」


あらっ 猫耳幼女神バステト様。

オリーブ茶を飲みに来たの、気づかれてたみたいよ。


「そんなコトはまぁいいや。

 今日はお礼に来たんだ」


「お礼?」


そんな事を言うニャーヒード神。

美人の女神様だってのに荒っぽい口調の神様ね。


「そうさ、アイツがしくじったんだ。

 オレの泉から『ネルガルの瞳』をどこかにやってくれ、ってのをさ。

 魔物ダェーヴァとケンカしたら、すぐ本題の方を忘れやがった」


アイツって誰のコトかしら。

多分、あれよね。

猫のようにゃ、猫じゃにゃいようにゃ気配。

ネコザムライ。


「注意してやったらよ。

 「「ゴメンにゃ、ニャーヒード。

  だけど、覚えてられにゃいんだ。

  ヴィルパークシャーを倒したんだから良いじゃにゃいか」」

 だってよ。

 良くねえっての。

 あのままだったら、又森に魔物ダェーヴァが湧いてたトコロだぜ」



「あの人?

 ニャーヒード神様の関係者にゃんですか?」


関係者って言い方も正しいのか、分からにゃいけど。

それ以外訊きようがにゃいわ。



「うーん、まぁな。

 俺の森に湧いて出たんだよ。

 最初は魔物ダェーヴァかと思ったんだけどな。

 ネコザムライとか言いやがる。

 悪いヤツじゃなさそうだし、

 とりあえず、俺がメンドウ見てたんだ」


「んでコイツに泉の異変の原因をなんとかさせようと思ったんだけど」


異変の原因。

これね。

わたしはおにゃかに隠していた指輪を取り出す。


「これのコトですね」


「そうだ、やっぱりな」


ニャーヒード女神は宝石の付いた指輪を一目見て言う。


「その宝石は『ネルガルの瞳』

 邪神ネルガルの目から作られたと言う宝石だよ。

 ネルガルってヤツはな。

 冥府の女神エレシュキガルの旦那で死と破壊の神。

 まぁとんでもないヤツだな」


「その宝石が闇の瘴気を吹き出して、

 あの泉や森を危険な魔物ダェーヴァだらけにしちまったんだ」


「オレたちはな、認識の果ての世界で信仰の力で生きる超次元の存在。

 この生身の肉の世界にゃ基本手出しは出来ねえ。

 その宝石も誰か、ネルガルの手の者がイヤガラセでやったんだろうぜ。

 オレもあのネコザムライになんとかさせたかったんだが、

 替わりにアンタが始末してくれた。

 だから、礼を言いに来たのさ」

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