第75話 空中戦

わたしは近くのアンズーの背にゃかに飛び移る。

アンズーは羽根を広げると2メートル位はある大鷲。

わたしは20センチ少しの子猫。

向こうはわたしのコトにゃんて気にも止めてにゃかったでしょう。


そんにゃ魔物の背に飛び乗ってグイッと獅子の頭部を締め上げる。



グァッ!ガッ!ガーーー!!


青い羽根をした魔物がカラスに似た鳴き声を上げる。

鷲は泣き声がカラスに似てるとにゃにかの本で読んだ覚えがあるわ。

頭はライオン風だけど、やっぱり鷲の魔物にゃのね。


アンズーは翼をバタバタさせて暴れるけど、背後に齧り付いたわたしには攻撃出来にゃい。

頭をわたしの方向に向けようとしてるけど、ムリよ。

だってわたし後頭部にくっついて首を絞めてるんですもの。


わたしの取り付いたアンズーは方向感覚を失って、周囲をグルグル回る。

近くを滑空していたアンズーにブチ当たって大惨事。

空の上の交通事故ね。


背にゃかにいるわたしに気づいた別のアンズー。

わたしの方に攻撃してくるわ。

その頃にはわたしが首を締め上げたアンズーは呼吸困にゃん。

気絶して下へ落ちていくの。

その背にゃかからわたしは攻撃してくるアンズーへ、みゃーんと猫キック。


獅子のお顔を蹴られたアンズーはバタバタしてる。

その背にゃかに飛び乗って肩に掴まる。


翼の付け根辺りを操って、滑空する方向を転換。

先頭を舞い降りようとしていたアンズーに突撃させるの。

アンズー同士が追突する直前、わたしはヒラリと身を躱す。


ほぼ全員倒したかしら。

まだ一体残っているわね。


周りにいた仲間が次々落ちて行ってしまったアンズー。

にゃんだか狼狽えて、心細そう。

その身体にわたしは取りつく。


にゃんだ、にゃんだ、とアンズーは暴れるけれど。

先刻ので少しコツを掴んだわたし。

翼の付け根を掴んで、アンズーの向きをエイっと修正。

下に向かって急降下させるわ。


その直下にいるのは護衛団の人たち。

やっとダマスカスブレードを引き抜くことが出来たみたいね。

ホッと一息ついてるけど、そんにゃ場合じゃにゃいわよ。


その後ろから新たなタウエレトが狙ってる。

河馬の魔物ダェーヴァが巨大な口を開けるの。


そのはにゃ先へとわたしの乗ったアンズーが体当たりをかます。

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