第50話 決意
「そういうコトだったの。
護衛団の砂船なら乗員になれる。
「へへへへー。
バレたか」
にゃんて言ってエステルちゃんが笑う。
そうにゃの。
確かにバセル隊長は
護衛団に入ってしまえば、
エステルちゃんもイロイロ考えてるのね。
だけど、にゃんだか。
エステルちゃんの顔、笑っているのに不安そうだわ。
わたしは猫、ニオイで少しだけど人の感情も分かってしまう。
エステルちゃん、笑って見せてる。
だけど、少し不安なニオイをさせてるの。
明日、
「分かった。
頑張りなさい。
ふふふ、大人しい娘だと思っていたのに、
無鉄砲なトコロはライールに、お父さんに似たのね」
ヘレーナさんが言えば、エステルちゃんもイタズラそうに笑う。
「へへへー。
お父さんには言われた。
エステルの一度決めたらガンとして曲げないトコロは、
ヘレーナにそっくりだって」
ヘレーナさんもエステルちゃんも顔を見合わせて笑ってる。
わたしもヘレーナさんの膝に飛び乗って参加しにゃきゃ。
「あらっ、みゃー。
みゃーも思うわよね。
エステルってライールに似て来たわよね」
わたしは「みゃー」と答える。
「ええっ、
どうせわたしは母さんみたく美人でイロっぽくないですよー」
そんにゃコトはにゃいわ。
わたしはエステルちゃんの方に近付いて膝に頭を擦り付ける。
あにゃたまだ12歳だもの。
お色気にゃんてにゃくて良いの。
すぐに男たちが放っておかにゃいようににゃるわよ。
「あはははは。
みゃー、くすぐったいよ」
「あらあら仲が良いわね。
羨ましいわ」
うん。
エステルちゃんの不安げなニオイは薄らいでる。
もう大丈夫そうね。
良いお家、良い親子だ。
わたしはこの家に拾われて本当に良かった。
だから。
ヘレーナさん、エステルちゃん、安心してね。
エステルちゃんはわたしが護る。
丁度明日にはわたしもニャーヒードの森に行く予定。
森の探索ついでに
エステルちゃんには指一本触れさせにゃいから。
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