第48話 指令

あの新春祭ノウルーズの日。

わたしは猫耳幼女神バステト様の加護を受けて。

良く分からにゃいけど、ゲームっぽいカンジに猫侍の力を操れるようになった。


それが春のコト。

現在は夏もそろそろ盛りを過ぎて秋に向かう時期。

猫耳幼女神バステト様がまたわたしの家にやって来たんだわ。

この幼女はヘレーナさんのお茶が気に入って、たまに飲みに来てるの。

女神様だってのにヒマにゃのかしら。



「アニャタ、ニャーヒードの森で魔物ダェーヴァが増えてるってウワサ聞いてるー?」


猫耳幼女神バステト様はフカフカのジュウタンに座ってゴキゲン。

オリーブ茶を飲みにゃがらわたしに質問をする。


聞いてるどころか、この前も森に行って、獅子の頭をした鷲アンズー大きい蜂ヴァウーザカを倒してきたのよ。

それに護衛団の人たちも言っていた。

森に魔物ダェーヴァが増えてるから討伐隊を出すって。



「そうニャの?

 さっすがー、バステトちゃんが見込んだネコザムライね」


「その……猫侍ってのが良く分からにゃいんですけど……」


「そんニャの、アタシも知らニャいわー。

 にゃはははー。

 アニャタの魂に書いてあったのよ。

 猫侍って」


……魂ってにゃにか書き込めるのね。

知らにゃかったわ。

夕飯のお買い物のメモとかも書けるのかしら。


「あそこはねー。

 森の中心に泉が有るの」


「知ってます。

 ニャーヒード様の泉。

 その泉のおかげで森が出来てるって」


「そうねー。

 この街ホルムス結構ニャーヒードの像が飾られてるモノねー。

 ガサツ女神のくせにお色気でオトコたちを誑かしてるのよねー。

 その分のサービスだわ。

 単純でわっかりやすい。

 砂の国だから泉を作ってあげると喜ぶだろうとかー。

 ニャーヒードの考えそうニャ事ニャのよね」


はあ。

女神様同士にもいろいろフクザツにゃ関係ありそうだけど。

わたしはとりあえずコメントしにゃいでおくわ。


「その泉から魔物ダェーヴァが産まれてきているの。

 ニャんかおかしいわ。

 いくらガサツ女でも一応は女神の造った泉よ。

 そんニャ簡単に汚染されるとは思えニャいわー。

 アニャタ、行って調べて来てくれニャいかしら?」



ネコミミを付けた幼女の姿をした女神様。

バステト神はわたしの顔をみにゃがら、そう言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る