第17話 アンズー

エステルちゃんが!

わたしの可愛いエステルちゃんが!!


鳥の魔物ダェーヴァの爪を受けたエステルちゃんの服が切り裂かれている。

そこから背にゃかが見えてるの。

エステルちゃんのこの国に住む人にしては白い肌。

そこから血が出ている。


にゃ!

にゃにゃにゃー!!

にゃにゃにゃにゃにゃにゃー!!!!

大丈夫にゃの?

大丈夫にゃの大丈夫にゃの??

大丈夫ダイジョーブ大丈夫にゃのーーー。



「なにっ!

 あれはアンズー?!

 こんな街に近い場所に出るなんて」


突き飛ばされていたトーヤーさんが前に進み出る。

慌ててエステルちゃんを後ろに庇う。


「ムチャをするな、エステルくん。

 だが、助かった。

 礼を言うよ。

 傷は大丈夫か?」


トーヤー隊長はエステルちゃんに語りかけにゃがらも、視線は魔物ダェーヴァから外さにゃい。

視線の先ではアンズーが上空を旋回しているの。


「はい、服が切られただけで大した事は有りません」


エステルちゃんがトーヤー隊長に答えてる。


良かったー。

わたしはエステルちゃんの背にゃかを観察する。

見たところ傷は深くにゃさそう。

皮膚の表面が切られて、血が垂れているだけね。


許さにゃい!

許さにゃい許さにゃい!!

許さにゃい許さにゃい許さにゃいわーーー。


けど。

エステルちゃんやトーヤー隊長の前でわたしが暴れる訳にもいかにゃいわね。

どうしようかしら。

わたしは辺りを見回す。


その間もトーヤーさんは視線をアンズーに向けてる。

腕に装着したクロスボウで狙いを付け矢を放つ。

さすがね。

矢は真っすぐ飛び、魔物ダェーヴァに刺さる。


「クッ、あまり効いていないか」


そうね。

アンズーだったかしら。

巨大にゃ青い羽根を持つ鳥の魔物ダェーヴァ

サイズは羽根を広げた状態で2メートル位はあるかしら。

よく見たら頭の形が変ね。

鳥類のクチバシじゃにゃいわ。

口から牙を覗かせてる。

頭部にはタテガミがにゃびく。

ライオンみたいな形の頭じゃにゃいの。

身体は鷲のようだわ。

獅子の頭をした鷲の胴体を持つ魔物ダェーヴァ

ヒトコトで言ってバケモノね。


トーヤー隊長のクロスボウは小型の物。

矢はアンズーの巨大な胴体に刺さっているけど。

魔物ダェーヴァは少し眉を寄せて不快な表情をした程度。

大きにゃダメージを与えた様に見えにゃいわ。


アンズーは爪を光らせ、飛び回る。

二人に襲い掛かろうとする。

トーヤー隊長もプロの護衛団員ね。

クロスボウの矢で牽制。

魔物ダェーヴァを近づけさせにゃい様にしてるわ。

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