第5話 ダエーヴァ

わたしはその周辺のニオイを嗅ぐ。


うーん、嗅いだことの有るニオイ。

でもエステルちゃんとは違うようにゃ気も。


フラフラとわたしは知ってるニオイを追っていく。

森を進む。


この辺では実は森は珍しい。

少し行くと砂漠。

砂漠地帯が広がるの。

砂の海とは少し違う。

砂海ニャビールは鳥取砂丘の様なサラサラとした砂がどこまでも広がる。

草にゃんて生えていない。

砂漠地帯は荒れた平野。

ちょっとした草や、サボテンの様な植物も生えてる。

岩場だってある。

それが普通の砂漠にゃの。

日本の感覚で言うと荒野と呼んだ方が近いかしら。


森の先にいたのはおんにゃの子。

違った。

エステルちゃんじゃにゃかった。

エステルちゃんの友達。

ステュティラちゃん。


エステルちゃんがおとにゃしい良い娘に対して。

元気にゃのはいいんだけど、ちょっと五月蠅いところがある困った子ちゃんにゃの。


「お前、ホントウに大丈夫なのか。

 ステュティラ」

「もちろんよ。

 アルミラージを倒せば良いだけでしょ。

 あんな角のあるウサギ程度。

 あたしにかかればラクショー、ラクショー」


ステュティラちゃんは剣を振り回してる。

丸い曲線の入った片手剣。


この娘は確かに、12歳だと言うのに剣の腕だけは確か。

父親から剣をミッチリ教わったらしいの。


あたしは木の後ろに隠れて彼女を眺める。


赤と白の布を全身に、肩と腰だけは金色の防具で覆ってる。

ヒラヒラとした衣装。

戦士というより踊り子さんみたいにゃの。

お腹を開けて、カワイイおヘソが見えてる。

うーん。

女の子にゃんだから露出し過ぎるのはどうかと思うわ。


エステルちゃんも色こそ青で違うけど。

同じようにゃ服装してたの。

やっぱり、この子の影響にゃのね。


おっと。

なんだか物騒な気配を感じるわ。


あたしは近くの樹の上へと。

気配を感じた周辺を観察。


いたわ。

角のあるウサギ。


ウサギにしてはおっきい可愛くにゃい子。

その額から角が前へとせり出してる。

角の長さも含めると一メートルくらいはあるんじゃにゃいの。

その目つきは狂暴。

赤く光る目。

野生の動物じゃにゃい。

ダェーヴァの特徴ね。


この国に出るマモノの事を人はそう呼ぶ。

ダェーヴァ。

悪魔とか悪神、魔物の総称ね。

日本で言ったら鬼みたいにゃモノかしら。


ダェーヴァの一種、アルミラージは隠れてステュティラちゃんの方を狙ってる。

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