換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる～

第50話

「Γεια, γιατί δεν πας σε άλλο κόσμο σύντομα;（ねえ、そろそろ異世界に行かない？）」

「やっぱりミウスさんもあそこに行けるんだね。

　誰から行けるようにしてもらったの？」

「Μου επιτράπηκε να πάω στον θεό του χάους（カオス神に行けるようにしてもらった。）」

あの俺が全身に恐怖を感じた巨人のことだろう。

やはり彼は生物の規格を超えた存在、神であることに間違いはなかったようだ。

「ミウスさんってやっぱりギリシャ語の方が上手く喋れるの？」

「Είναι λίγο διαφορετικό, χρησιμοποιώ μια διαφορετική παγκόσμια γλώσσα, όχι την ελληνική, τη γλώσσα που έμαθα από τη μαμά μου, οπότε είναι πιο κοντά στα ελληνικά.（少し違う、私はギリシャ語じゃなくて異世界の言語、お母さんから習った言語を使ってるからそれがギリシャ語に近いだけ。）」

異世界と地球の言語が似ているのはパラレルワールドなどの要素というところで片付けるのが賢明だ。

下手な憶測を用いて世界に影響を及ぼすことをしてしまってはせっかくのパスポートを使えなくなってしまうし何が起こるかわからないことに対してしていいのは自己完結する形で考えることだけだ。

「Αλλά τα ιαπωνικά διδάχθηκαν από έναν άλλο θεό.（でも、日本語は別の神に教わったよ。）」

「そっか、なら良いんだけど多分あれだよね最初にこっちで出会ったときに連れ去られた人にだよね。」

「θετικός（うん。）」

「まあわかったよ。

　少しは行きたいと思っていたしね。

　でもそんなに長い期間居る気は無いからね。

　一日４時間くらい。

　それ以上は行かないって言うのなら一緒に行っていいよ。」

「…わかっ…た……。」

◇◇◇◇

「ふう、久々に異世界に来た気がするよ。」

「Άλλωστε, έχουν περάσει περίπου 30 επεισόδια.」

「ごめんよく聞こえなかったんだけどもう一度言ってくれる？」

「…聞か……なく……て…大丈……夫………。」

異世界に着いたあとも頑張って日本語で話していくようだ。

前回来た地点はミウスさんから逃げるために遭難している真っ最中だったので場所が一切解らない感じでまず家を探すところから再開することにした。

「賢者の家ってどこら辺にあるかな。」

「Αυτή είναι η μυρωδιά των ανθρώπων. Εδώ τεντώνεται το φράγμα.（人の匂いはこっち。結界みたいのが張ってあるのはこっち。）」

「なら結界が張ってある場所に行こうか。」

「…う…ん。」

ミウスさんに道案内されるがままに道を進んでいく。

「ん？」

ミウスさんは道に会った植物をじっと見つめていた。

そして目を見開いていた。

「どうかしたのミウスさん。」

俺が気になり声をかけるとミウスさんが答えた。

「Σως ο χρόνος να είναι στα μισά του δρόμου.（もしかして時間が中途半端に進んでいるかもしれない。）」

「時間が中途半端に進んでいる？

　もしかして異世界へのチケットを使う時の設定がミウスさんと僕とじゃ違うの？」

「Προσπαθώ να ακολουθώ τη φυσική ροή του χρόνου.（私は自然な時間の流れに沿うようにしている。）」

「もしかして二人同時でやると中途半端になっちゃったのかな。」

「Αν τα συναισθήματά μου είναι σίγουρα, έχει ήδη περάσει περίπου μια εβδομάδα σε αυτόν τον κόσμο.（私の感覚が確かなら既にこの世界では一週間くらい進んでいる。）」

「一週間？そんなに？」

疑問を覚えながらも道を進んだ。

すると家とは別の道にいくつかの足跡が見受けられた。

「もしかして人が居る？」

「……あの…結…界……は…人払…い…も…兼ねて……いるから………持ち主…以外は……基本…寄り付か……ない……。

　だから…家…には入って………いないと……思う……。」

推理をしていると心当たりが一つだけあるにはあった。

「あ、お久しぶりです！やっと会えました！」

「やっぱりあの姫さんか。」

「はい、忘れられているやもしれませんので改めてリザベル・マリア・ボジタットと申します。

　此度は改めましてお礼を申し上げに参りました。」

「兄ちゃんすまねえな。また来ちまって。」

今度は精鋭部隊と共にこちらに来たようだ。

新たに五覚を得たから分かる。

盗賊の兄ちゃんは平均的な寸止め無しの格闘技をしているくらいの人の実力だが周りにいる人はじいちゃんまでは行かないが相当強いことが分かった。

しかしこの世界はスキルが当たり前のようにあるので実際に地球の人と戦ったらもっと強いかもしれない。

採点をつけるなら盗賊の兄ちゃんが詩さんの能力値と同じと仮定すると漱歌（そうか）さんくらいの実力だと思われた。