48 堕落の落胤(バスタード) 02
「いたぞ、なんだあれは……」
マックスが絶句する。
「うっ……なんですかあれは……」
アドリアがあまりの醜悪さに吐き気を覚えたらしい。口元をおさえながら対峙する。
「なんなのこれは……」
アイヴィーも顔を歪めて
悲鳴のような声をあげて
「食らったらやばい、避けるんだ!」
俺の言葉に反応してパーティが攻撃を避ける。アイヴィーが避けざまに
パーティの反撃が
悲鳴とも泣き言も取れる声を叫び続ける
「<<
炎が肉塊の表面を焦がすが、焦げた表面は黒い泡と共に手足を増やし増殖していく。が、増殖の速度は少し遅い。
「炎の攻撃は増殖が鈍ります! 火属性の魔法で反撃を!」
判明した弱点を叫んで伝える。こういった情報共有は冒険者時代に散々行った行動だ。
声に反応したマックスが炎魔法に切り替え、
「私の支援魔法で強化しますぞ!<<
トニーがポージングをキメると、セロンの体がぼんやりと光り輝く。セロンもその勢いのままに
プロクターが弓の精密射撃で仮面を狙うが、その攻撃は振り回されている腕によって防がれてしまう。腕に突き刺さった矢を乱暴に引き抜くと、さらに威嚇するように叫び声をあげる。
接近戦では分が悪いと判断したのか
「
「範囲魔法です!我が魔力よ、仲間をその邪なる攻撃より守り給え!<<
アドリアがそれを見て
が、見当違いの方向へと腕を振り下ろし地面を叩く。
「やらせませんよ!」
クレールさんによる幻惑魔法、
「先輩ありがとう!」
アイヴィーが
「こんな……なんてひどい……うぐっ」
その様子を見てアドリアが気分を悪くしたのか、口元を抑える。
「アドリア大丈夫か?」
アドリアが吐き気を堪えるように咳き込むと、再び前を向いた。
「だ、大丈夫です。当分お肉は食べれそうにないですけど」
同感だ。とにかく醜悪な外見なのだ、そして千切れた箇所から血が噴き出しながら、新しい手足が生えてくる。またその際の匂いもひどい、いわゆる肉が腐ったような刺激臭が鼻をつく。前衛の二人も気分が悪そうな顔をしている。後衛の俺たちですら吐き気を感じているのだから、二人への影響は甚大だろう。
再びちぎれた手足が刺激臭とともに、もりもりと生えていく。
「しかし……この生命力は一体どうやって……」
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