indent 推理・解明なき探偵
以前、この世界には探偵と呼ばれる存在がいたらしい。
だが、それも数百年以上昔のことだ。沈黙した日常の欠片が今も姿を変えず留まり見上げた空はいつものように昼夜を繰り返す。目を覚まし何年か待ってみたが、変化は訪れない。
そして何度目かの春を迎え、目の前に現れた影は言った。
「我々は必要に応じて誕生し、その役割を全うする。この言葉を聞いている我等の末席よ。この事件の結末を預ける。」
これから起こることに謎は無く、ただ我々の世界で起こった事実を見つけ、記憶する。それが私のすべき事だ。そう確信し、消え去った何者かの残滓を引き受ける。
ここに、あらゆる者の最後に位置する探偵が誕生した。
短編集 水無月 昴 @minazukisubaru
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