第275話●「雨東さん家のご飯」の連載準備
未亜の感動的なライブが終わった。とはいえ、すぐに渋谷シアターアリーナのこけら落とし公演がある。
今回のこけら落とし公演、第一部の演劇には、瑠乃さんと彩春さんが出演する。出演メンバーの詳細を見たけど、アイドルセクションから出演するのは瑠乃さんだけで、異例の抜擢を受けていることがよく判る。ちなみに今回は歌舞伎を現代風にアレンジした「現代版義経千本桜」という演目だそうだけど、パンフレットに使われている劇画調のイラストは幸大が担当している。今回の演目を総括している俳優セクションの棚町セクションリーダーが
第二部のミュージックフェスには、未亜のほかにここなちゃんが出演する。ここで、フェスオリジナルソングの作詞作曲は儘田海夢、だったら面白いのだけど、さすがにそんなことはなく、大御所ミュージシャンであるノーザンオールスターズのバンドマスターを務める
未亜はこの一週間、フェスで披露する「主役」とフェスオリジナルソング「大きな崎に見える未来」といういかにもノーザンっぽいタイトルの楽曲をレッスンしつつ、テレビの収録やインタビュー、「赤い月と青い太陽」のアフレコ収録なんかをこなす多忙な毎日を送っている。
俺の方はせまじょとヤン聖の連載を順調に進めている。
そして、「週刊女性ファイブ」で隔週連載する「雨東さん
この連載、最初に太田さんと一緒に
「月にだいたい2回で、1年経つと25本くらいのレシピとエッセイが載るんですよね。そこへ書き下ろし15本を加えると一般的なレシピ本が出来るんですよ。」
「そうなんですね。」
「半年くらいで評判も見えるんで、その時点でレシピ本まで持っていくかを検討させて欲しいです。」
「判りました。先生、問題ない?」
「はい、もちろん大丈夫です。」
「よかった。それで、レシピ本の刊行が決まったらコラボカフェをやりたいと思ってます。」
「コラボカフェですか?」
「ええ。レシピに載っている料理が実際に食べられます、という期間限定カフェですね。ゲームメイトさんが運営しているゲームメイトカフェあたりで、過去に何度か料理評論家さんのコラボカフェをやっているので、伝手はあるんですよ。」
「それは面白いですね。」
「その際は一日店長として、早緑さんにお越しいただきたいという所までもう構想進めてます。」
「おおっ!先生、これは成功させよう。」
太田さんはもう現金だなあ。でも、未亜の仕事につながるなら俺も嬉しい!
「そうですね。」
「既にいただいているレシピはオーソドックスながら一手間加えられていて、なかなか面白いので、楽しみです。1年間は連載確約ですので、先ほど決めた順番で進められれば、と思います。」
「ありがとうございます。」
「写真の方ですが、テストでいただいたとんかつの写真は完璧でした。美味しそうなシズル感ある写真だったんで、あんな感じで撮っていただけると。」
「素人なので試行錯誤という感じですが、そういっていただけると嬉しいです。」
「枚数多く撮ってもらって、全部送ってもらえればこちらでいい感じのものを選びますし、加工もしますんで安心して下さい。どうしても厳しいときは再度撮影をお願いするかもしれませんが、そこは調整させて下さい。」
「はい、私に連絡いただければ、雨東と調整します。」
「ありがとうございます。」
KAKUKAWAの白子さんとはある種正反対の気さくな感じの人だけど、女性誌の編集歴が長い方で、仕事はすごく出来そう。レシピが上手くいけば、別の連載も隔週でお願いしたい、毎週交互に二つの連載が掲載出来るようにしていきたいというありがたいお話もいただいた。幅広くいろいろな文筆をしていきたいと思っていることを踏まえると単発ものが多い中で初めて持つことになったこの連載は頑張らないとなあ、と決意を新たにした。
ちなみに第一回はある種の定番料理である肉じゃがを取り上げた。そして、第二回用として、ほうれん草と小松菜のごま和えを作った。両方とも同じ日のディナーとなったけど、未亜が美味しそうに食べてくれたのできっと連載も上手くいくと思う!楽しんで書いていきたいな。
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