第209話○今日は私の誕生日!
幸大くんと紅葉の幸せな話を聞いた翌日は私の誕生日!Twinsterは日付が変わった直後から「#早緑美愛誕生祭」なるタグが大活躍する大盛り上がりでとても嬉しい。そして、気がついたら事務所仲間のTlackだけじゃなく、曲作りのTlackにも紅葉が追加されていた。今後、紅葉には主題歌の件で絵の発注が行くそうだ。朋夏は本当に動きが早いよね……。
そんな誕生日、実はせまじょ外伝のオーディオブックを収録する日でもある。都内で収録なのかと思ったらなんと調布の「KAKUKAWA関映スタジオ」というところでの収録になると朋夏から昨日事務所仲間のTlackに書き込みがあった。
日向夏へべす 20:09
明日の収録は調布のKAKUKAWA関映スタジオ。KAKUKAWAさんの子会社が運営しているスタジオなんだけど、狭いところみたいで見学が出来ないんだって。だからメンバーは出演者4人。9時に沢辺さんがマンションの地下まで迎えに来てくれるから社用車で行こう。
圭司は立ち会いたかったみたいだけど、そうした状況から断念、今日は家であと少しで終わる作詞をこなしているそうだ。オーディオブックの収録とかきっと見たかったよね。
収録そのものはとても順調に進み、17時過ぎには完了した。今日の誕生日記念配信は19時からだから時間的にはちょうどよさそう。
帰り際スマホを見ると家族だけでなく、高校の時の友人たちからもお祝いが来ていた。私が早緑美愛だって知らないからデビュー記念日とかには特に反応ないけど、誕生日にはこうやってお祝いをくれてとても嬉しい。
わたしはそのまま沢辺さんの車で事務所へ向かう。みんなは降りずに……あれ?車がそのまま地下に入っていく。
「えっ、みんなも事務所に用事?」
「私は大石さんと打ち合わせ。」
「沢辺さんと話をすることになっているんだ。」
「太田さんに呼ばれました!」
「そうなんだ。」
まあ、確かについでにはちょうどいいもんね。太田さんのデスクへ心菜ちゃんと向かう。
「美愛とここな、おはよう。」
「「おはようございます!」」
「美愛はとりあえず、この衣装に着替えて来ちゃって。そのあとは2002を押さえてあるからスタッフからお弁当もらって食べちゃって。」
「判りました!」
更衣室でさみあんモードになるとそのまま2002へ入り、事前の打ち合わせも終わって、お弁当をいただく。食べ終わってまったりしていると配信10分前になって、圭司がやってきたようだ。
「早緑さん、お疲れ様。」
「雨東さん、ありがとうね。」
「リクエストがすごいみたいだからね。」
リクエストというのは雨東先生と私のトークを期待するリクエスト。けっこうたくさん来ているみたいで、今回はスタジオの一角にブースを用意して、そこへ圭司が入り、誕生日トークをすると聞いている。
「作詞見たけどすごい良かった。」
「みんなの関係性みたいなものを頑張って読み込んでみたよ。」
「うん、オープニングにふさわしいよね。」
「みんなからも好評でほっとしている。明貴子さんもあと少しで出来るっていっていたから次は収録かな。頑張ってね。」
「うん!がんばるよ!」
「そうしたら早緑さんが入る前にブースで待機していないといけないから先行くね。」
「あっ、そうだね。じゃあ、またあとで。」
いよいよ配信だ!今日は圭司用のブースが作られる関係で、L01スタジオでの配信。スタジオに入ると確かにこの前彩春の配信をしたときにはなかったパーティションが見える。圭司は既にあのパーティションの向こう側にいると思うのだけど、こちらからは中が見えない。あれ、おかしいな、と不思議に感じているといつものようにカウントダウンがはじまる。まずは配信に集中しないと。
「配信入りますー、5秒前、4、3」
オープニング映像がはいったあと、映像終わりでキュー。
「19時になりました!みんなー、こんばんは、早緑美愛だよ!今日は私の誕生日!ということでなんと臨時で配信することになりました!おまけも撮って、有料会員の皆様には見ていただくことになっているのでお楽しみに!」
運営コメント〈演出の都合上、画面が真っ暗になりますが、事故ではございません〉
「ええっ!?台本にそんな話ない……あっ、本当に真っ暗になった!えっ、なにが起きるの?」
パンパン
「なに!なに!」
「「「「お誕生日おめでとう!」」」」
明るくなったら、目の前に彩春と心菜ちゃんが!
「ええっ!二人ともどうしたの!?」
「お誕生日祝いのシークレットゲストだよ!」
「姿は見えないけど、私もいるよー!」
「へべすの声がする!」
あっ、もしかして、みんな圭司と一緒にあっちのブースにいたのか!カンペに、二人のいる方へ手を振って、と書いてあるので、そのまま手を振った。しかもよく見たら調整室に紗和・明貴子・瑠乃・慧一くんまでいるじゃん!
「早緑さん、俺もいるからね。」
「うん、雨東さんありがとう!いや、今日は、台本だと雨東さんとトークとしか書いていなかったんだよね。まさかこんなに豪華なことになるなんて。あっ、いまスタッフさんが椅子を出してくれるって。」
「ありがとうございます。」
「あっ、すみません。」
ブースの中から出てきたバースデーケーキに立てられた2本のローソクを吹き消したあと、みんなで楽しくトークをして30分の配信を終える。
そのあと、おまけの動画を15分ほど撮ってから解散となった。更衣室で通常モードに戻って、衣装とかを太田さんのデスクに置いてから二人でタクシーに乗って、家に帰ると22時少し前になっていた。
二人でお風呂に入って、ソファーでくっついてイチャイチャしていると私の誕生日ということもあるせいか、なんかいい雰囲気になった。なんか、生まれて初めてスイッチがオンになるという感覚がわかった感じがして、キスしたいなあ、と思っていたら圭司の方からキスをしてきてくれた上にそのまま深いキスをされてソファーに押し倒されちゃった!圭司もどうやらスイッチが入ったみたい。とてもエッチなことなのに最愛の人にそうされるとすごく心がキュンとするんだなあ……。
お姫様抱っこをされて、ベッドまで連れて行かれる。お互いルームウェアを脱がしあったけど、気分が盛り上がって、脱がしたところからキスしあったりもしちゃった!ベッドに入ったあともクリスマスの時より積極的にお互いの全身をキスしあったけど、圭司がここまでしてくれるようになったんだね、本当に嬉しい……。
いい感じに気分が盛り上がったところで、お医者さんのアドバイス?を思い出したので、今度は私から積極的に動いて、はじめてシックスナイン?という体勢になると圭司が私の大事なところをお口で刺激してくれる。声が漏れたのを聞いたからなのか、圭司のあそこを見た感じ、少し反応があったので、私も初めてお口で頑張ってみた。最初に見たときよりはなんか少しだけ大きくなった感じがするけどこれ以上は難しいかな。結局そのまま私だけ気持ちよくしてもらっちゃった。2回目だけど、1回目よりもさらに深く気持ちよくなってしまって、圭司の上に乗ったまま、しばらく身動きが取れなくなっちゃった。圭司重かったよね、ごめん……。
少しして動けるようになったので、今日はちゃんとシャワーを浴びる。ルームウェアを改めて着てからもう一度歯を磨いて、一緒にくっついて寝た。
圭司の前ではだいぶ大胆に振る舞えるようになってきたような気がする。圭司もだんだん積極的に私を求めてくれるようになった。あと少しなのかもしれないな。クリスマスの時にコンビニで買ったスキンは自分の部屋にある箱から2つほど取り出して、目覚まし時計の横に置いた私のナイトケア用品を収納してるポシェットへこっそり入れあるから、準備は万全。次、またいい雰囲気になったら頑張ろうっと。
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