第280話 カロレ・コスタの嘆願

 元アレーナ孤児院院長、タチアナ学園、副園長のカロレ・コスタさんから、

俺に嘆願があがってきた。


 1つは、執事のセバスチャンから聞いたらしいが、

俺が王都で商人を探していると言ったら。


 実は、タチアナ学園の卒業生で、ひとり王都に行った男がいるらしい。


 その名もコスタ・ダビ、現在小さいながらも王都で商店をやっているらしい。


 孤児院時代は、面倒見も良く、評判もよかったらしい、

ただ、大きくなって都会でもまれて、性格が変わる人間もいるので、

絶対大丈夫という保障はできないが、どうかと。


 もう1つは、スボンの孤児院の評判が良くない、

表には出てこないが、どうも死者が出ているらしい。


 領主は、それを見ぬ振りをしているらしく、

こちらの学園で引き取れないかと・・。


 まあ、あの我がまま公爵じゃしょうがないか。


 場合によっては、ダンレンジも貸し出し止めよう。


 この件は、タチアナ学園長にも話してあり、強引に引き抜くと、

相手は公爵家で問題になるので、神隠しならいいとのこと。


 つまり、向こうの孤児院に行って、魔法陣を貼って、

一気に運んで、行方不明というパターンか・・・。


 まあ、孤児たちの衣食住は、誰が面倒みると持ってるんだ、あのお嬢様は。


 でも、死者が出ているのは、ちょっとひどいな、一度位チャンスを与えないと、

不公平だろうから、こっちを優先だな。


 こうして俺は、スボンの孤児院へと、足を運んだ。

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