第229話 総崩れ

 朝みんなで朝食を食べていると、見張り役の神戸から連絡が来た。


 敵兵が、出撃の準備をしているとのこと、敵の数およそ1500。

うちのモンちゃんたちは、迎撃のために外に出た。


 「おいおい、敵さんずいぶん数減ったな」


 「朝方かなりの数が撤退していきました」


 「おお。進軍を開始したぞ、俺にはあのく○まみれの中を通るのは御免だ」

 

 「しかし、こっちには、ほとんど匂いこないな?」


 ツーチェが、「当たり前です私が風を調整してますから」と言った。


 一方、アニベロス軍の指揮はゼロだった。


 「くそ、なんだこの匂いは、鼻と口を塞いでいてもこれか」

 「足元に気をつけろ、く○のせいでぬかるんでいる場所がある」


 「あと少しで、このく○草原を抜けてモンスターとの一戦だ」


 「ちょっと待て、昨日は腹が痛くて、まともにモンスター見てなかったが」

 「あれ、普通じゃないぞ、オーラが違う、しかも飛んでるやつまでいるじゃないか」


 その時、モンスターたちから、雄叫びがあがった。

 

 誰とでもなく、みんなが一斉に退却しはじめた。


 当たり前である、バカ将軍のために、あんなモンスター相手にしたら、

命なんていくつあっても足りない、命あっての物種だ。


 「あ、マスターの言う通りだ、雄叫び一発で撤退して行ったわ」


 「でもこの戦後処理はどうするんだ、

ツーチェがいつまでも風魔法使うわけにはいくまい」


 「敵さん、すべていなくなったかな? じゃあ始めるか」


 く○まみれの草原の上に突如ダンジョンボードが現れ平原を覆いつくした。

なるほど、ダンジョンボードでく○をマナに変換させる作戦か。


 「実はね、ダンジョンの周りにダンジョンボード蒔いておくと、

地脈のマナを強制的に引き出すことにより、ダンジョンコアの集配が少し上がるんだ」


 「これで多分大丈夫だと思うから、俺たち帰るね」

 「また何かあったら、連絡ちょうだい」


 「おーい、帰るぞ!」


 「へーい」


 カジスタンの軍隊長が「我に恐れをなして撤退したか」と言っていたのには失笑した。

 

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