第202話 言葉の壁

 とりあえず、アルゴンの子供たちは、部屋割りも済み、無事就寝した。


 後で聞いてわかったのだが、風呂とトイレが苦労したらしい、

マイケル&ミーシャは、仲の良い友達も呼んで一生懸命教えたらしい。


 やはり、言葉の壁は厚そうだ、まあ若いから頑張ってもらうしかない。


 意外に宗教は問題なさそうだ、シャンヒー教とかいうのに熱心なのは中央だけで、

逆に地方では、国教なのに、どうでもいい扱いだったそうだ。


 なんでも、中央にはいつくかの学校はあったが、モルゴンにはなかったそうだ、

その代わり、騎士になりたい者は、自衛団が剣を、

魔法使いになりたい者は、魔導団が魔法を教えてくれるそうな。


 孤児たちの中には、才能を認められて、自衛団とか魔導団に行った者もいるらしい。


 とりあえず、モルゴンの子供たちと先生に今後の説明をした、

学校で、授業をしてくれれば、給料を出すといったら大喜びだった。


 タチアナお嬢様と相談したら、言葉が違うから、しばらくは別授業になるとのこと。

まあ、ろくな物食べていなかったみたいで、まずは体力の回復からだな。


 学園の案内は、副園長とマティルデ姉妹が買って出てくれた。


 俺は、午後からのアレーナ商工会との交渉だな。


      ★  ★  ★ 


 アレーナ商工会との交渉は、ホテルのロビーで行なわれる事になった。


 まずは50品目が書かれた、リストをアレーナ商工会が俺に出してきた。


 「ちょっと待て、このガラス食器一式って全部か?」

 「確かに対で売るものもあるが、各個に値段が違う、却下だ」


 「大体、ガラス食器一式、全部並べられる店ないだろ」

 「どうせ横流しして、あとは○投げ温泉!するのが見えている」


 「そう言われましても、あの値段で買えるガラス品はなく、

しかも逸品揃いで、こちらとしては決めかねまして、ハイ」


 「じゃあ陶器一式、500ドラ以下も同じか?」


 「陶器も、他からの輸入でしかも壊れ易いので、

あの500ドラ以下の物はすべてお買い得かと・・ハイ」


 「よし決めた、卸す品物は俺の方で決める、残ったら返品可だ」

 「文句はないよな?」


 「返品可の条件でしたら、文句は全くありません、多分全部売れるでしょうけど」


 「じゃあ明日朝一で、馬車1台分くらい適当に見繕って、

このホテルの前に置いておくわ」


 「あの、もうひとつお願いがあるのですが・・・」


 「え、まだあるの?」


 「実は衣類の方が、非常に好評でして、他国の商人たちが、

まとめて買われまして、完売状態なので、そちらも馬車1台位、

補充していただけると嬉しいのですが・・・」


 「わかった、用意しておこう」


 

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