第198話 移転

 モルゴンの孤児たちは、転移装置にびっくりしていた。

 

 院長たちは、不審に思っていたみたいだが、

俺がダンジョンマスターだからだと言って納得してもらった。


 住む場所も用意してある、学園の横の公園の隣である。


 そこに、難民収容に作った、寄宿舎とまったく同じものを用意した。


 1階に4人部屋が4室、2階3階に4人部屋が8室づつ、最大で80人まで収容できる、

1階にエントランス、小さな食堂、男女別の風呂がある。


 当然全員いっぺんには、食事も風呂も無理だ、時間を分けてもらう必要がある。


 難民の2家族は、モンちゃんの世話をするということで、当ダンジョンの正社員となり、

給料を貰い、マンションの方へ移り住んでいる。


 一応。領主に住人が、63名増えたのを報告しておこう。


 モルゴンの孤児院の院長はホンファ、引率はリンリーとメイファンと言うそうだ。


 領主の方は、俺が面倒をみるという事で了承をしてもらった、

夜、歓迎会をするのかと言われたので、軽くホテルの方でやりますと言ったら、

その時でも、顔だけでも出してやろうと行って来た。


 まあ、お嬢様が、学園のみんなを連れてきて、顔合わせも出来るからいいか。

言葉の壁はあるだろうけど、美味しい物に国境はないだろうから、

旨いものを出しておけば問題はないだろう。


 その前に、風呂だな飯は来る前にとったから、晩飯までに綺麗にしておかないと・・・、

ちょっどいいところに、マイケルとミーシャがいた、

俺は捕まえて、新人の孤児たちに風呂の入り方教えろと強制してやった。


 ホテルのナイトディナーの準備は俺の方でやった、ライブキッチンはなしだ。

俺の方も手馴れてきたもので、20品目位の料理を5分位で並べられる。


 俺は、綺麗になった子供たちと先生たちを連れて、一足先にホテルに来た、

料理はもうすでに出来上がっており、カバーをはずすだけだ。

 

 子供たちも先生も驚きぱなしだ、まさか世界一と思っていた自国より、

発展している国があるとは思わなかったらしい。


 ふと引率のメイファンが口を開いた。


 「あ、この国にもオルガンあるんですね」


 「オルガン?」あ、ピアノのことか。


 このレストランのベースに元からあったもので、おそらく夜は生演奏をしていたのであろう。


 「ピアノ、いやオルガンは弾けるのですか?」


 「昔、少しやってましたので、弾けると思います」


 俺は、彼女に弾かせてみた、曲はわからんが、なかなかに巧い、

今度のバイキングの時に弾いてもらうことにしよう。

 

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