「雑魚には鍛冶がお似合いだwww」と言われた鍛冶レベル9999の俺、追放されたので冒険者に転職する〜最強武器で無双しながらギルドで楽しく暮らします〜
第22話 その頃『白銀の翼』は(6)(追放者side)
第22話 その頃『白銀の翼』は(6)(追放者side)
バキン!!
「――はあああん!? どうなってんだよ毎回よおおおお!!!!」
山岳地帯で早速アイアンハリネズミと対峙していた『白銀の翼』。
しかし、最後の武器であるジュダルのロングソードが攻撃の際に折れ、宙に舞ってしまっていた。
全員が丸腰、クリアは絶望的だった。
ガルル......!
アイアンハリネズミは、まるで攻撃などなかったかのように無傷、『白銀の翼』を威嚇する。
「ジュダルさぁぁん……やっぱり帰りましょうよぉ!」
「こいつを倒せたとしても1匹目ですよ……あと2匹も無理ですよぉ」
「るせぇ!!」
ジュダルは怒号を飛ばす、この中で誰よりも焦っていたのは彼だった。
何でだ、
何でだ、
何でだよ!?
アイアンハリネズミなんざ過去の俺ならぶっ倒せたぞ? あの時はヒラの団員すら討伐出来てたのによぉぉ!!
何なんだこのザマは!?
「おいお前ら、拳で倒せ!」
ジュダルは汗をだらだら流しながら言った。
「……は?」
「聞こえなかったのか、親から貰ったその腕があんだろ!!」
「アンタ何いってんだよ!?」
団員の1人が顔面蒼白で叫んだ。
自分達のリーダーが生ける剣山を殴れと言っているのだ、無理はない。
「リーダーの命令が聞けねぇのか!」
「イかれてる、イかれてるよアンタ!!」
「もうやってらんねぇ! 俺は抜ける!!」
別の団員が折れた斧を地面に投げつけ、走り去る。
「俺も!」
「付き合いきれるか!」
「やるならアンタだけでやれ!」
次々にその場を後にする団員達。
「うおおおおい!! お前ら待ちやがれ!!!!」
ジュダルは彼らの背中に向かって叫ぶ、しかし誰もそれに答えない。
「はああああああああああん!?!? 行かないでくれええええ!!!!」
残されたのはジュダルのみ。
危険を顧みない最低の指示の結果、部下全員に見放された。
「無理だよぉ!! 俺1人で何とかなったらしてるよぉ!!」
ジュダルは今まで周りを団員で囲っているからこそクエストをクリア出来ていた。
そんな彼だからこそ、1人だと途端に弱気になってしまう。
結局、この日は1匹も討伐することが出来なかった。
ジュダルは『白銀の翼』のギルドに戻ると、退職届が山のように積まれていたのだった……。
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