#5 狂乱騒夜。
5月6日、昼食時…。
僕は朝から警察署の裏手で自動二輪の練習をしていた。十二時になったので練習を中断し食堂で昼食を摂る事にした。
多賀山さんと大信田さんはコンビニで買ってきたホットドッグと缶コーヒー。僕は冷凍食品のパスタ、国内でも大きな企業グループで売られている商品で大盛りなんだけど150円しないくらいだ。うーん安い。
「ところで午後の練習は軽めにしておくぞ」
多賀山さんが話を切り出してきた。
「実は美晴や尚子達が随分と張り切って今夜の用意をしてるんだ」
「だからプリティは体力を残しといた方が良いぜ。アイツら
二人が苦笑いを浮かべた。
「それは…、楽しみと言うか。ありがたい話です」
「だが、覚悟もいるぞ」
「えっ。どういう事です、
「アイツら手加減知らないからな。下手すりゃ一晩中やる気なんじゃないか」
ぽん。僕の肩に手を置いて多賀山さんが話しかけてきた。
「ええっ、一晩中?」
驚く僕、そこに大信田さんも同じように僕の肩に手を置いた。
「美晴と尚子だが明日有給を取ったからな。やる気だぜ、アイツら」
「や、休みを取ってまで…」
「ああ、言ったろ。クレイジーな夜になるって」
僕にはありがたい気持ちと共になんだか不安な気持ちも浮かんできた。
□
「さあ、第一部は終了だ。明日仕事の奴は適当なトコで切り上げでもらう。こっからは
美晴さんが張り切っている。…と言うより未成年者がいるのに酒出して良いんだろうか?
食堂に招かれた僕は豪華な夕食をいただいた。僕の誕生日祝いであり、入学祝いでもある。真希子さんと真唯ちゃんも招かれ一緒の時を過ごした。
「おっ、
婦警さん達が盛り上がる。明日、仕事や学校がある真希子さんと真唯ちゃんはアルコールが飲めない婦警さんが途中で抜け車で送ってくれるらしい。
「お兄ちゃん、学校で待ってるね」
真唯ちゃんが帰り際に言い残した言葉だ。
「僕も同じ学校に…」
高校生になる、そんな実感が湧いてくる。しかも赤ちゃんだった真唯ちゃんと一緒の学年。不思議な感じがする。
十五年ぶり、二回目の高校入学。その日がすぐそこまで迫っていた。
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