第400話 親子喧嘩


フェリス親子side


自分の身体を勝手に使われた事で強気な性格と内気な性格がとても怒っていた。


「2人とも落ち着いてくれて、ありがとう。

 貴女達と話せて、お母さんはとても嬉しいわ。」


「このままでは埒があかないから黙っただけ‥。

 この責任は必ず取らせるから!」

「お母様、酷いです。

 私の初めてを台無しにして‥

 一生恨みますから!」


内気な方のがタチが悪いと母親は心の中で思っていた。


「それより、お母様が何で生きてるのですか?

 あと何で私の身体に入り込んでるのですか?」


強気な方が質問してくる。


「それがお母さんもわからないのよ。

 ただ、貴女を産んだ後に喉乾いたからメイドに飲み物を頼んで‥。

 何かを飲んだのは記憶しているのだけど‥。

 あまり美味しくなかったような‥。」


「‥‥‥」

「‥‥‥」


娘2人が黙り込む。


「2人ともどうしたの?

 でも不思議な事にその後の記憶がないのよ。

 貴女を抱っこした想い出が‥」


急に不安そうな声を出す母親。


「本当に記憶がないの?

 私が聞いた話だと、お母様は私を産んだ時に亡くなったと聞いています。」

「あれ?

 私が聞いた話と少し違いますね。

 お母様は私を抱っこしてて転倒して頭を打って亡くなったと聞いております。」


2人の話に違いはあるが、共通する事は私が産後に亡くなったという事だ。


「あれ?

 じゃぁ、どうして私は生きてるの???」


謎は深まる‥


「それもだけど、私にも不思議の思う事があるの。

 私が産んだのは1人のはずなの‥

 どうして2人の声が聞こえるの?」


母親に疑問を嘆かられる初めてその事に気がつく。


「どうして2つの人格があるの??」

「もう1人は誰なの??」


2人が混乱する。


「あっ、思い出したわ!!

 お医者様の話だとお腹にいたのは双子だったらしいの!

 でも1人は途中で死んだらしくて‥。」


母親の話に2人はさらに混乱する。


「どちらかが死んだ方の人格?」

「私が死んでるかも‥」


混乱する娘に母親が口を開く。


「何をそんな事を悩んでるの?

 どちらがとか気にしなくて良いじゃない?

 身体は1つなんだから、3人で仲良くしましょう!」


母親の言葉に内気な方がすぐに反応する。


「はい、お母様!!

 皆んなで頑張りましょう!」


喜ぶ2人を尻目に強気な方は考えていた。


「そもそもお母様はこの身体に入る必要はないような‥。

 母親と同じ身体を使うって‥。

 お風呂にトイレに‥。」


そこで昨晩の記憶がフラッシュバックする。


母親に初体験を奪われるとは‥。


内気な子のように喜べない自分がいた。


このまま話が落ち着くかと思われたが、そうは問屋が卸さなかった。


「あっ、良い事を考えましたわ!

 せっかく生き返ったので、あの人に復讐しないと‥。

 ふふふふ

 この風呂恨み!はらさずおくべきか!!」


フェリス王女(母親)が走りだす。

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