第25話
「あと、あの、シーファさんのことなんですけど。」
俺たちは先日シーファから言われたことを掻い摘んで話した。
「そうですね。そこも説明しなければ。」
ゴンダさんは息も絶え絶えだ。
「御養子の話が出た時から、シーファ様から仰ったことなのです。私がその方と婚姻すれば良いわね、と。」
「でも俺たちは年が離れすぎている。」
「そんなことはないですよ。10も離れていないですから、長い目で見れば…。」
ゴンダさんは俺とジングウジくんの顔を見て言葉を切った。
申し訳ないが、ゴミを見る目で見てしまっていたと思う。
「ですが、ハルシャ様より年上だと御養子の方が長男になってしまいますからそれは避けたい。あなたたちがギリギリだと思うのです。」
「アサヒナさんは何なんですか?」
「アレは…。」
ゴンダさんは言い淀む。
「アサヒナ様が選ばれることはないでしょう。やはり、年齢がハルシャ様より上ですから。ただ、そうそう早く落とせない事情があるんです。」
以前マサトが言っていたことと関係がありそうだ。俺は直感的に思った。ただ、俺では説明できなさそう。
「シーファさんは本当にそれでいいと思ってるんだでしょうか。」
「御本人はそう仰っていて…。」
「シーファさんは彼氏とかいたことは?」
「おそらくないと思います。」
ジングウジくんと俺は無言になる。
「皇族の方は恋愛禁止なんですか?」
「いえ、むしろ推奨しているのですが、相手がなかなか…。」
その辺りをもっと真剣に考えた方がいいんじゃないか?
「帝王学は教えてると思うんですけど、恋愛スキルとかも教えた方がいいんじゃないですか?」
俺は言ってしまっていた。
ゴンダさんはもごもごと困っている。
皇族が恋愛できないのは、立場のせいなのか?本人のせいなのか?
「なんにせよ、養子になった人と結婚したいとか、そういうのは不純だと思う。」
ジングウジくんも断言する。
「それだけ、シーファさまの皇族に対する想いが強いということなのです。」
「だったらシーファには皇族に残ってもらったらいい。」
「しかし、そのためには女性宮家を作る必要があり、」
「作らんでも良くない?役職を作ったらいいじゃないですか。元皇族の女性がなれる皇帝補佐みたいな役職。」
俺はノリで提案した。
「しかし、そんな前例はなく、」
「それは良いな。結婚したとしても一般人の夫は皇族にならなくてもいいし。」
ジングウジくんも賛成してくれる。
「前例がないのは養子のこともそうだしな。」
「シーファに提案してみなよ。」
俺たちはゴンダさんに言った。
「とりあえず、相談してみます。」
そういうことになった。
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