第7話 お披露目会まで
会議翌日の朝。
普段と変わらず、食堂は和気あいあいとしていた。
「今日はご報告があります!」ミーティングの終わりにNONAMEが切り出す。
「皆さまここまで、本当に頑張ってきたと思う。僕は、みんなの努力をまじかで見てきてここで期待に応えたいと思う。」真剣に耳を傾けているタレントに向け、NONAMEも真剣な目つきで吉報を伝える。
「4月1日、約一か月後になりますが、OπTAIお披露目会として初ライブを開催したいと思います」
突然の嬉しい報告に皆が黄色い奇声を発す奇声を発する。
中には顔を覆い、涙ぐむ者もいた。
「しかし、当初の目標であったEカップ以上という課題をクリアしているのは3名だけです。そこで、昨日の会議である提案が出ました」
さっきまでの歓声は静まり返り、深刻な趣で話の続きを聞く。
「4月1日のお披露目会で、生カップ測定会を行います。もし、8人全員がEカップ以上という課題をクリアできていれば、インディーズデビューとして1stシングルの販売も行います」
再び歓声が沸き上がりそうになったが、純美以外のメンバーは冷静に話を分析する。
「しかし、もし一人でもEカップ以上に達しなければ、連帯責任としてキャプテンが罰ゲームを受けることになりました」
この悲報を聞き、一同は純美の顔を覗く。皆が見た純美の姿勢は堂々としていた。
「それでは、キャプテンからひと言」
純美にコメントを求める。
純美は立ち上がり皆の目の前に立った。
「これは昨日の会議で決まりました。プロデューサーやスタッフさんは私たちの事を信じてくれています。期待に応えたいです。早くファンの方々に私たちの事を見て欲しい。そのような思いで承諾しました。みんなでデビューしましょう!」
純美のスピーチに皆拍手を送る。
ミーティングの後、メンバーは純美の事を心配して話しかける。
「キャプテンいいの?」
「罰ゲームってなんなの?」
「私まだ、Cしかないんだけど、どうしよ」
純美は迷いの無い言葉で返す。
「大丈夫、みんなずっと頑張ってる。信じられるだけの確証があるから」
自信満々の純美の言葉は周りを勇気付けた。
午前中のウェイトトレーニングでは、よりバストアップに重点を置いたメニューに変わった。
大胸筋はバストを支える土台となる筋肉。この筋肉が衰えると、胸のハリが無くなり、垂れてしまう原因になりやすい。
クーパー靱帯はバストの形を維持するのに重要な組織。だが、切れたり伸びたりと損傷しやすいのが特徴。この靱帯はコラーゲンで構成された結合組織で、乳頭や大胸筋、皮膚などを繋げる役割を持つ。
バストアップにはこの二つの部位の強化が不可欠。
普段行っているメニューをこなした後、スタッフが見慣れぬ機械を人数分持ってきた。
クーパー靭帯は、セルフでのケアが難しい箇所。最新鋭のエステマシーンを新たに導入した。
スマホサイズのリモコンに着けられたホースの先端には、乳房を覆う程の大きさのシリコンカップが接着している。
純美たちOπTAIは最新鋭の機械を自身についている双丘に取り付ける。
バストアップマシーンはスタッフがスイッチを入れると純美たちにとって今まで味わったことのないマッサージを行う。
おわん型のカップに乳房を当て、吸い付く事で適度な刺激を与える。
おわん型の装置の裏側はシリコン製のヒダが無数についている。
無法則で這うような動きをするヒダ。
「あぁぁ。ぅう」最年少メンバーである紗枝は幼げな顔からは予想もつかないような欲情的な表情を見せた。耳まで掛かったショートヘアーから普段眠そうな瞼が閉じている。眠いわけではなく、無数のヒダから放たれる刺激を両方の乳房から感じていた。
脳髄までとろけるような刺激に17歳の紗枝は思わず声を出してしまった。
「あぁ、いやぁあ」無垢な笑顔が特徴だった彼女だが、その面影は消え去る。
眉間にしわを寄せ苦悶の表情を見せる。
それは、紗枝に大人の色気を付与した。
「紗枝ちゃん。ぅう。頑張ろう!ぁあ!これもデビューのためだよ?」
しどろもどろになりながらも隣で勇気付けていたのは一つ上のほなみであった。
ほなみはDカップまであったが、最後の壁を越えられなかった。最新鋭の機械に期待を込めて取り組んでいた。
つややかな黒髪。すっぴんでもアイシャドウを掛けているかのような長いまつ毛。
ほなみもまだ、幼い顔つきであった。紗枝同様に苦悶の表情を浮かべ、とろけるような激しい乳房への刺激に耐え凌ぐ。
純美は目を瞑りながら刺激に耐えた。
時折、吐息を漏らしていたが、自身はアイドルである。
こんなことで取り乱してはならない。こんな姿をファンが実際に見たら失望するに違いない。
純美は唇を噛み締め、刺激に耐え続けた。
葵、可憐、サレン、夏希も同様のマッサージを受ける。
二人も苦悶の表情で痙攣しているかのように全身をピクつかせていた。
午後のレッスンでは、お披露目会で披露する1stシングルとなる曲を習う。
このグループに初めて与えられた楽曲は誰が見てもみだらなものであった。
しかし、もうOπTAIはこの事務所の思想に侵されていた。
歌詞は、幼稚な下ネタの乱雑。彼女たちは、それもすべて誇らしい貸しだと錯覚していた。
また、振り付けは激しく、胸を激しく揺さぶる動作が多かった。
貸しと組み合わせると、午前中に受けた刺激が沸々と煮えたぎり、それぞれの下半身に熱を伝えた。
理性が飛びそうになるが、初めて自分たちに与えられた楽曲。
NONAMEの知り合いが作曲したこの曲を素晴らしさを伝えようと皆真剣にレッスンに取り組む。
お披露目会まで時間は残されてなかった。純美たちは通常平日にしかレッスンを行っていなかったが、土日にはみんなで集まり練習。休み時間の間も集まり練習の日々を過ごした。
それから、一か月の月日が過ぎた。
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