100話目、夢

とある女性の話になります。

その女性がある日、夢を見た。

その夢っていうのが体が溶ける夢。

体が溶けていく夢なんですけど、とくに恐怖も感じなかったんですね。

むしろ心地いいぐらいだったんですね。

で、その夢に見たことない女の子が出て来て大丈夫だよ大丈夫だよって言ってくれてさらに安心感がましたんですね。

ただ、その女性、日に日に痩せ細っていった。

友人たちに指摘されておかしいかなと思い始めた。

で、夢を見た。全く同じ夢。

これ、ひょっとしたら危ないのかな。

その女性がそう考えていると女の子が現れて大丈夫、大丈夫というんですね

その時、女性ははじめてその子が怖いと思った。

嫌、大丈夫じゃないって返したんです。

そしたら、女の子の顔がみるみる崩れていったんです。まるで溶けてるかのように。

溶けてる間に女の子が言うんですよ。もう少しだったのに、もう少しだったのにって。

女性はうわあと飛び起きた。

慌てて電気つけて鏡をみたら、そんな急激にではないんですが、肉付きが戻ったような感じがした。

ひょっとして、あの女の子に生気を吸われてたのかな。と思ったらしいです。

ただ、本当に見たことない女の子だったらしく、何故あんな夢を見たのか分からないそうです。

もしかしたら、今夜貴方の夢にでるかもしれません。


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百物語 榊原 夢 @yumechandayo

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