お題63、電車

とある男性が仕事帰りに見た物の話になるんですけど、

終電前の駅のホームで立っていると黒い靄のような物が階段を降りていくのが視界端に見えたんですね。

その人オカルト好きだったので、好奇心があふれちゃって後を追ってみることにしたんですね。

階段をおり、人気がない道を歩いているとまた視界の端に黒い靄が見える。

追いかけて曲がり角を曲がると駅員にぶつかりそうになる。

その駅員さんに黒い靄をみなかったか聞いたけど、見てないと言われ、もう終電近いですよ、と注意されたんですね。

駅員さんが先ほどの自分が電車に乗るためのホームまで付いてきてくれたんです。

駅員さんとホームにつくとちょうど最終電車が来ようとしてたんですね。

で、電車がついてご迷惑おかけしましたーなんて言って後ろを振り向いたんですよ。

そしたら、それは駅員さんの背後にいたんです。

真っ黒い顔の集合体。

男性は体が固まって動けなくて、そのまま電車は発車しちゃったんですけど。

その日から、その駅員さんを見ていないんですよ。

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