お題34、ショートケーキの苺
とある女の子のお話です。
その子のご両親はパティシエをしてました。
その子はよくご両親のケーキを美味しく食べていました。
ある日、学校の授業でご両親のお仕事風景を描いてみようというものがあり、女の子は一生懸命画用紙に絵を書いていました。
お父さんが女の子に描けてるかなーって覗き込んだんですね。
すると、ケーキであろうものがでかでかとかかれていました。
であろうといったのは、決して下手という意味ではなく、肝心な物が描かれてなかったのです。
白い三角形にその側面に黄色と黄色の中に赤いのが書いてあった。ただ、人によってはちがうだろうけど、一番大事なイチゴが描かれていなかった。
何でイチゴが乗ってないんだい?と女の子に聞くと、いつも食べられちゃって、私の所のケーキに乗ってないのっているんですね
そんなはずはないと思ったお父さんなんですが、後日、試作品のケーキを持ち帰ってきた。
それで女の子にケーキを上げた真っ赤なイチゴが乗ったケーキ。
お父さんが飲み物を出してあげようと後ろを向いて、飲むものを出して女の子の方に向きなおすと、ケーキの上のイチゴがなくなってた。
女の子はほらねって言って、なんとも思ってないみたいでした。
女の子はお父さんの背中を指さして
いっつもおじいちゃんが食べちゃうっていったんですね。
お父さんのお父さん、女の子のおじいちゃんは亡くなってるんですけど、大のイチゴ好きではありました。
あーと思ったお父さんは家にある仏壇によくイチゴを供えるようになったんです。まさか孫からすらイチゴを奪う程好きだったとは思わなかったって。
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