二章 城下町でオンライン
第16話
レガリア城下町は、この大陸で一番大きな街だ。施設数、プレイヤー数、広さなどが、はじまりの街とは桁違い。どこに行っても誰かが音声チャットで会話していて、すごく活気に満ち溢れている。
入るときに見かけたけど、城下町の外にもたくさんの人がいた。特に何をしてる風でもなかったけど、あれは何なのだう。
ナナファミリーと別れてから、ひとりでブラブラ城下町を散策した。その結果分かったのは、一時間くらいでは全てを回りきることができないだろう事実。フィールドマップだと東京から名古屋までの距離を、十五分足らずで移動できたのに。運営が、この街に力を入れすぎてる感がすごい。『むしろここからがスタートなんだよ』と、暗にほのめかされているような気さえする。
新たに登場した施設はクラン会館と傭兵ギルド。それに教会と転送屋。噂ではどこかに闇市もあるらしい。どこかと言っても攻略サイトを見ればすぐに分かるから、あとでニャン太郎様のサイトを覗いてみよう。
クラン会館は、いわゆる派閥を形成するための施設だ。お金さえ払えば自分のクランを設立できて、入団希望者を募ることができる。クランに入るメリットは、クランレベルによって効果が高くなる永続バフの恩恵に与れることだ。物理攻撃力・魔法攻撃力・物理防御力・魔法防御力・速度・幸運。この六点に対して、クラン設立者が任意で決めた恩恵をひとつだけ【1%から最大5%】まで受けられる。
また、クランに入ればクランハウスも利用可能だ。仲間うちでのチャットルームみたいなものだけど、死に戻り地点として設定することもできる。
傭兵ギルドは、MMORPGではお馴染みの傭兵を雇える施設。どうしてもソロプレイにこだわりたかったり、パーティ募集で人が集まらなかったときに重宝する。ただし、雇える傭兵は自分のレベル以下の
同じ傭兵を使い続けていれば徐々に賢くなるらしいけど、その行動は自分がボッチであることを宣伝してるようなものだ。ちなみに最大で四人雇用できる。
教会は加護を選べる施設だ。この世界で信仰されている十一柱の神から、ひとつを信仰の対象に選ぶと、その神に応じた加護を受けられる。永続バフだったり、マルチスキルだったりと効果は様々で、自分のプレイスタイルに合わせて決めるのが基本だ。
強制ではないので、宗教臭を嫌うなら加護を受けずにプレイすることも可能。クランや傭兵と違い、一度決めると再選択ができない仕様らしいので、神を選ぶときは注意する必要がある。
転送屋は読んで字のごとく、訪れたことのある街に転送してくれる施設だ。有料だけど、フィールドを歩いて移動する労力を思えば利用しない手はないだろう。今のところ、はじまりの街にしか行けないけど。
闇市は、いわゆる盗品市場……とは違う。施設を探し出して登録さえすれば、所持品をオークションに出品できるシステムだ。インベントリからアイテムを選び、スタート金額と出品期間を設定。売れると自動で落札金額から【10%】を引かれた売上金が手に入り、売れ残れば出品していたアイテムは自動でインベントリに戻る。
良いアイテムが出品されていることもあるので、所持金に余裕ができれば迷わず活用したい。
さてと。ウロウロしながら防具屋と道具屋で装備を新調できたので、傭兵ギルドに行ってみよう。
キャラネーム こしあん
ジョブ1 シーフLV10
ジョブ2 なし
HP 45
MP 20
物理攻撃力 7+140
魔法攻撃力 2
物理防御力 7+15
魔法防御力 2+8
速度 20+5
幸運 49+5
ジョブ特性 アイテムドロップ率20%アップ
ユニーク特性 アイテムドロップ率30%アップ
ジョブスキル スチールLV4 罠解除LV1
武器1 プレリュード 物理攻撃力+60 スチール成功率20%アップ
武器2 クインテット 物理攻撃力+80 攻撃回数+1
頭防具 厚革の帽子 魔法防御力+8
体防具 リザードメイル 物理防御力+15 炎属性攻撃5%緩和
足防具 革のブーツ 速度+5
装飾品 ミサンガ 幸運+5
SP 0ポイント
所持金 3250G
決してボッチプレイをするためじゃない。僕には愚痴をこぼさず、行動を共にしてくれるナイトが必要なだけだ。ちなみに雇用料は【ナイトLV9】で、三時間【3000G】。
目的は宿敵であるリザードマン討伐。本当にスキルブックが激レアアイテムなのか、それとも違うのか。他のスキルブックもドロップするのか。もしかしてトカゲ肉以外もスチールできるのか。そんなこんなを検証したい。
物理防御力が増えたからワンキルされない計算だけど、ダメージを受けるたびに下級ポーションを使っていたら破産してしまう。下級劣化ポーションは腐るほどあるけど、HP回復量が低すぎて使う気もしない。そのうちまとめて売ろうと思ってる。
いつの間にかスチールのレベルも上がったし、ナイトが雇えるのなら行くしかないでしょ。
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