第144話 わし 技術の進捗を確認しに行く

      〜〜〜王都駅〜〜〜


ビクトリア「軍事都市行きの汽車は北行きの汽車の後ですね」


わし「あそこに集まってるのがレガシイ大帝国に向かう北行きの連中か」


ビクトリア「そうですね」


わし「工兵200人ほどと技術者数十人か」


アルバート「奴隷や元奴隷が中心ですね技術者の中には工科大卒や建築大学を出たエリートもいますが」


わし「軋轢とかは無さそうな感じだな」


アルバート「そうですね、人権教育の賜物ですね、それに建設関連はエリート層と元奴隷の格差もそんなに無いですからね」


わし「ほう…階級社会の是正は順調だな」


「なんで国賊がいるんだ!!」


「何だと!!裏切り者め!!」


      ざわざわ…

 

       ざわざわ…


わし「おい…言った側から、いきなり揉めてるぞ」


アルバート「たぶん、ラコール国の留学生とサンアンドムーン国の技術者ですね」


「元はと言えば、ラコールが裏切らなければ、良かったんだろ、国を滅ぼしてさらに貧しくなってれば世話無いけどな!!」


「なんだと!!国を裏切って逃げた者に何が分かる!!」


アリア「おい!!」


「なんだよ!?あ…」


「アリア様!!」


アリア「アンタら何しに来たのよ!?喧嘩しに来たの?」


「いえ…技術を学んでラコール国に貢献する為です」


アリア「あんたは?」


「私も技術を学んでサンアンドムーン国で技術を活かす為です」


アリア「じゃあ喧嘩が目的では無いのね」


「………。」


「………。」


アリア「過去は変えれないのよ、前を向きなさい」


「おおおおおおおおお!!!流石アリア様!!」


「あれ?しかしなんでアリア様がここに?」


わし「おお…アリアがまともな事言ってる…」


  シュオオオオオオオオオオオオオ!!!


アリア「ほら汽車が来ました、皆さん頑張って下さいね」


「うおおおおおおおお!!頑張ります」♡


「行って参ります!!」


    シュォオオオオオオオオオ!!!


わし「アリアよ良い仲裁だったな、今回はお忍びだから、目立って欲しく無かったが…まぁバレて無いと思うが」


アリア「すいません…大事な国策と聞いてたので、皆んな力を合わせて欲しいと思いまして」


わし「コタロウやヴォイテクは?」


アリア「今の列車の最後列に調教師と乗せました」


わし「ふむふむ」


アリア「レガシイ大帝国に向かわず、軍事都市に用事があるんですか?」


わし「まぁそうじゃな、急いでる訳でも無いし」


アルバート「最新兵器の進捗状況の把握とかですか」


わし「それもあるが、時代と技術の最適化じゃな」


アルバート「時代と技術の最適化ですか?どう言う事ですか?」


わし「そうじゃな、名詞化されてないし概念だけだから説明が難しいな」


アルバート「そうなんですね」


わし「そうじゃな…例えば今後、テレビゲームと言うのが出来る、テレビに接続して遊ぶゲーム機って奴だ、どんどん最新技術を取り入れて進化して行くのだが、開発費が高騰して行くのじゃ」


アルバート「へぇ…ゲーム機ですか…面白そうですね、しかし、なんでそんな事を知ってるんですか?」


アリア「マルス様はググレカス神と言う神様からの未来のお告げが来るのよ」


アルバート「な…なんと…」


ビクトリア「ホントですか?」


わし「まぁな…話しを戻すが、各社の開発費が高騰して行く中で、とあるゲーム機を作ってる会社は最新技術で競争せずに大成功をおさめたのじゃ」


ゲームボーイやニンテンドーDSやWiiとかじゃな


アルバート「どうやったんですか?」


わし「なに簡単じゃ、今ある既存の技術を詰め込んだのじゃ、開発費も安くなるから、本体価格も安くなる」


アイホンとかもそうじゃな…電話、インターネット、iPodにアプケーションと全て揃ってたからな


アルバート「なるほど…時代と技術の最適化ですか」


わし「それにゲームの本質は直感的な操作とゲーム性の分かりやすさ、それでいて濃密な内容やシステムじゃな、映像美(グラフィック)は二の次じゃな」


ポケモンとか、1996年にプレステが発売されてる時代にゲームボーイで発売して、とてつもない売り上げを叩き出したからな、メディアミックスの売り上げは世界一位の10兆円のバケモノコンテツじゃ…


アルバート「難しいですね」


わし「貨幣を発行出来るわしに予算的制限は無いが時代的に技術的な制約はある、例えば最新技術で100人倒せる武器を月に1つ作るより、10人倒せる武器を月に100個生産した方が良いからな」


アルバート「なるほど…確かに…」


わし「まぁ何事も最新技術が良いって訳じゃない、複雑な機構になるし部品点数も多くなるからな、故障の原因や不具合が多くなる、軍事都市には、最新技術と方向性の確認じゃな」


アルバート「マルス様の深い見識について行けません」


アリア「マルス様!!私ともお話しして下さい!!」


わし「今の話し理解出来たか?」


アリア「100人倒せる武器を1000人倒す運用を考えるってのはどうですか?」


わし「ほう…なるほどな」


アリア「えへへへへへへ」


わし「それを生み出すのは天才だからな、言うのは簡単だが、その方向性も視野に入れとく」


   シュォオオオオオオオオオ!!!


ビクトリア「軍事都市行きの汽車が来ましたよ」


わし「うむ…運用についても色々と考察するか…」


次回に続く…

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