第42話 わし 大爆笑

バハナ草原50キロ手前



マルクス兵「マルス様!!ホウトク先遣部隊とレガシィ大帝国軍が予定されてた草原で激突、先行していた騎馬部隊は間に合わず」


伝令役は馬を乗り換えながら最速で来れる


わし「何!?それでホウトク隊は?」


マルクス兵「それが…ホウトク隊勝利との事で、仔細はまだ分かってません」


わし「カイン、急ぐぞ」


カイン「ははっ!!」


行軍速度を上げる


ハッキリ言って馬には慣れん!!


尻痛いし!!




バハナ草原 近辺の村 ホウトク隊駐屯地



ホウトク「何が目的だユリウス?」


ユリウス将軍「…………。前と逆の立場になったな…レガシィ大帝国で、お前は投獄され、我が見おろす」


ホウトク「お前にはレガシィ大帝国から逃げる時に色々と世話になったからな…手荒な事はしたくねーけど…触りだけで良いから教えろ」


ユリウス将軍「我々はマルクス王国の軍事力を見る為の捨て駒よ」


ホウトク「ほう…だから戦奴が歩兵主力だったのか」


ユリウス将軍「開戦して、どれだけの時間で、どれだけ人が殺されるかの計算だ」


ホウトク「あの堕王が考えそうな事だ、どうだ、もうマルクス王国側に寝返ろ、マルス様は聡明で実力能力至上主義だ、俺から口添えすれば官職もあり得る」


ユリウス将軍「祖国に残した家族がな…裏切れば一族郎党皆殺しにされる」


ホウトク「はぁ…天涯孤独の俺には分かんねーわ」


ユリウス将軍「しかし、参ったな…あの銃とやら…あんなのが大量に揃ったらこのアトラス大陸を平定出来るぞ」


ホウトク「うちの王子さんは、専守防衛で、侵略とか全く考えてない」


ユリウス「何故だ?」


ホウトク「さぁ、俺にもサッパリだ」


シリュウ「ホウトク様、マルス様は明日の夕方にはここに着きそうです」


ホウトク「そうか、了解だ、捕虜はどうだ?」


シリュウ「捕虜は大人しくしてます、それよりホウトク様が元レガシィ大帝国出身だと兵達の間で噂になってます」


ホウトク「まぁ事実だしな」(笑)


ユリウス将軍「ほう…シリュウも無事生きてたか」


ホウトク「逃げてる途中ではぐれたけど、昨日、偶然見つけたんだ、記憶は見つかって無いけどな」


ユリウス将軍「はははははは!!なんだそれは」


シリュウ「母は元気ですか?」


ユリウス将軍「ああ…お前の母は無事だ、粛清されずに済んでるが…奴隷身分に落とされてるな」


シリュウ「そうですか…生活は苦しそうですか?」


ユリウス将軍「まぁ大丈夫だ、手紙でも書けば、渡してやるぞ、一方通行だがな」


シリュウ「感謝します!!」


ホウトク「お前そんなキャラだったか?もっと粗野でバカだったと思うぞ」


ユリウス将軍「最近孫が生まれてな…」


ホウトク「………お互い大変だな」



    〜〜〜次の日の夕方〜〜〜



わし「あ…歩けねぇ…」


ガクガクガク…ガクガクガク…


ケツ痛いし…ももは引き攣るし…



アリア「マルス様!!大丈夫ですか?お爺ちゃんみたいです…肩を貸しましょうか?」


わし「マジすまねぇ…」


アリア「………。」ドキドキドキドキ



金輪際 馬には乗らん!!開発中のトラクターを、そこそこのスピードに魔改造しちゃる、帰りはチャリだ!!


ホウトク「旦那、こっちこっち、お?お熱いね〜」


アリア「……。」ボン♡!!


わし「からかうでない、ホウトク無事だとは聞いてたがピンピンしてるな…ちょと待ってくれ、歩行時速100mしか出ないわ」


ホウトク「はははは、乗馬訓練をサボってるからですよ」


わし「それで?戦後報告頼む」


ホウトク「はっ我が軍の損害は軽微です、罠の槍に尻を刺したバカ1名と、落とし穴に落ちたバカ2名、後は敵軍の捕虜が1100名です敵軍の傷病兵は200名」


わし「大戦果だな、騎馬部隊無しでか…」


ホウトク「ボルトアクション銃は凄いですぜ、革命的と言って良い」


わし「そうか、それで敵将を捕らえたとか」


ホウトク「それが…腐れ縁と言うか、旧知のバカと言うか…知り合いでして、それでマルス様に話しがあるとか」


わし「ふむ…会おう、歩きたく無いから連れて参れ」


ホウトク「了解です、ある程度は聞き出しましたが…」


わし「まぁ会って直接聞く」



        ザッザザ…



ユリウス将軍「お前がマルス王子か、想像と違って優男だな」


アリア「無礼者!!997人目の肥やしにしてやる!」


わし「よいアリア」( まだカウント続いてんのかよ…


わし「投降は賢明な判断だ、それで話とは?」


ユリウス将軍「まず、我の部隊が持ってた大きい箱がある、それを持って来てくれ」


わし「持って来てやれ」


マルクス兵「はは!!」


ユリウス将軍「数日前にウゴン王国の使者が来ただろう、我々の部隊は捨て駒だ、10分以内に1000人殺せば、同盟を組む、10分以内に1000人以下なら、手が付けられ無くなる前に全力でマルクス王国に侵攻するだ」


わし「ほう…それで?」


ユリウス将軍「たった300人が装備してる銃とやらに1000人近くの死傷者を出したと報告する、誰も信じんかもしれないがな」


わし「ふむふむ…」


マルクス兵「持って参りました」


ユリウス将軍「開けてくれ」


わし「開けるのじゃ」


マルクス兵「ははっ!!」


中にはギッシリ紙が入ってる


ユリウス将軍「1億レガシィ紙幣だ…それは騎馬部隊の身代金だ受けってくれ」


わし「………わっははははははははは!!ひぃーーひひひひひひひふふひひ!!いちお…く…しへいだ…みのし…ろきんだ……がはははははははは!!」( はらいてぇ…


ユリウス将軍「どうした?」


わし「お前はバカか、こんなの受け取る訳無いだろうwww」


ユリウス将軍「何故だ、マルクス王国は紙幣を喜んで受け取ると聞くぞ」


わし「こんなのただの紙切れじゃ無いかwwwがははははははwwwwwダメだ面白過ぎるwww」


ユリウス将軍「お前達の国の紙幣が違うと言うのか?」


わし「まぁそんな所だ、お前はこのレガシィ紙幣とやらが欲しいか?」


ユリウス将軍「全く欲しく無い…」


わし「お前はどうだ?」


マルクス兵「私も欲しくないです」



わし「では、ここにマルクス紙幣がある、ユリウス将軍よ欲しいか?」



ユリウス将軍「全く欲しいとも思わないが…」


わし「お前はどうだ?」


マルクス兵「私は欲しいです!!」


ユリウス将軍「意味が分からない!!」


わし「ホウトク…どうしようか?お前に任せる」


ホウトク「ユリウスよ、コチラに寝返らないか?戦死という事でどうだ?家族も俺が工作員を使って救出する、お前の部隊も、ほぼ全滅だし、逃げた少数の戦奴も国に帰って報告した所で、マルクス王国に侵攻はしないだろう」


ユリウス将軍「しかし…」


わし「まぁゆっくり考えろ、過去最高に笑かしくれたんだ褒美として将官待遇で良いぞ」


ホウトク「シリュウ、すまないが手紙は渡せそうに無いかもだが、お前の母ちゃんも救出する」


シリュウ「私はかまいませんよ、お心遣いありがとうございます」


わし「ではホウトクよ戦功白金賞だ!!皆の者!!わしは出自や身分に捕らわれず必ず賞賛する、ホウトクを讃えよ!!!」


マルクス兵達「おおおおおおおおぉぉぉぉお!!」


わし「では王都に帰ろう!!」


カイン「マルス様!!」


わし「なんじゃ?」


カイン「私…ほぼ空気何ですが…」


わし「そんなん知らん、わしチャリに乗るから、誰か馬で引っ張って」


マルクス兵「はは!!」


こうしてマルクス王国の防衛戦争は終わった



次回に続く…

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